緊急事態宣言を解除するにあたって、記者会見した安倍首相の演説を聞き、メモしながら「この人は凄い人だなあー」と思った。メモを取るのは地域新聞を作っていた時からの癖で、正確ではないかも知れないが、逆に自分がどんな風に受け取ったのか、その時の印象がよく分かる。
安倍首相の演説は、感染症で亡くなられた方への冥福と、感染された方への見舞いから始った。そして、「わずか1カ月半で収束させた」と言い、「日本モデルを示した」と言い切った。大阪の吉村知事や東京の小池知事ばかりが目立っていたから、大見栄を切った巻き返しである。
そして当然だが、国民への気配りも忘れていない。「すべての国民の皆様のご協力、根気強く辛抱してくださった皆様に心から感謝申し上げます」と述べ、「医師、看護師、保健所の職員、全ての医療従事者に心から敬意を表します」と付け加える。
今後の経済の立て直しに向け、「世界最大の2百兆円以上の対策によって、百年に1度の危機から日本経済を守り抜きます」と誓う。また、「コロナ時代の国際秩序を作り上げていくため、強いリーダーシップを発揮していきます」と、世界のリーダーを自負する。
これだけ聞いていると、こんなに立派なリーダーはいないような気がしてくる。安倍首相はよくこんな言葉も使われる。「皆様のご意見を真摯に受け止め」「再びこのようなことが起きないように、心から反省し」「しっかりと精査し」「総合的に判断し」「誠意をもって実行して参ります」。
言葉のひとつ一つは誠実だが、全く具体性が無い。どんなことでも、これらの言葉をつなげれば対処できる。だからか巷では、「どうしてなのだ?」と問われたら、「真摯に受け止め、総合的に判断した結果です」と答えることが流行っているという。今日のネタは思い付きでした。