民主党の代表選挙が21日、自民党の総裁選挙が26日に行なわれるというので、あちらこちらで思惑が渦巻いている。悲劇なのは、民主党も自民党も現在の代表・総裁が不人気だということだ。このままでは、「近いうち」に行なわれる衆議院選挙に勝てないからだ。自民党などは幹事長の石原さんが、「谷垣総裁を支えるためにやってきたのではない」とまで発言し、後になって「不適切な発言だった。幹事長でいる間は谷垣総裁を支える」と訂正しているけれど、あわよくば総裁選に立候補しようとしていたかのような印象を受ける。
与党を解散に追い込んでいるのだから、普通ならば野党第1党の党首が選挙前に変わるはずがない。それが党内のあちらこちらから立候補がうわさされている。追い込まれている与党が巻き返すために党首を変えることはあっても、追い込んでいる野党の方が党首を変えようとは、不思議な気がする。自民党としては政権を奪取できると読んでいるのだろう。だからこそ、党首になれば首相の座にすわることができる。ならばオレがと、欲が出てきた人がいるのだ。
その名乗りを上げている顔ぶれを見ると、とても好きにはなれない。こんな人しか自民党には残っていないのかと思う。これなら常識的な谷垣さんに引き続いて総裁に留まって欲しいと思うけれど、政権が帰ってくるとなると俄然、長老たちが張り切りだすようだ。どうやら谷垣さんが総裁に留まる見込みは極めて少ないらしい。嫌な部分だけをやらせておいて、美味しいところが来たらサッサと辞めさせてしまうのはいかにも自民党らしい。
じゃあ、民主党はそうした嫌らしさがないのかといえば、どうもそうでもないようだ。野田さんはあくまで、「税と社会保障の一体改革を進める」ために、代表を続けるつもりである。民主党の中にも野田さんに代わって代表に立候補しようとする人はいるけれど、余りに小粒で対立候補にはならないだろう。若手が担ごうとした細野原発事故担当大臣は「職務に専念したい」と立候補しない旨を表明したから、民主党は野田さんで決まりだろう。そうなると、衆議院選挙では世論調査どおり第3党に転落することは間違いないと思う。
世論調査では「大阪維新の会」に投票するという人が一番多いらしい。それだけ、既成政党への幻滅感が強いということだ。こういう時は、橋下さんのような歯切れのよい人に人気が集まる。橋下さん自身が言っているが、「政治は数だ。民意が反映されない政治はダメだ。独裁こそが実行できる政治だ」と、民衆が腹の中で思っていることを言っている。自民党も民主党も、その他の党も、この橋下さん率いる「大阪維新の会」に擦り寄っていこうとしている。
橋下さんの考え方は、安部元総理や小泉元総理、あるいは「みんなの党」の渡辺さんに近いだろう。実態は超保守の新自由主義だと私は思っている。日本の安全と将来こそが大事だというけれど、今は日本の国だけがよければいい時代ではない。どこの国もどこの地域も、誰も彼も、みんながよくなければうまくはいかない。そういうビジョンを持った政治家が出てこないとダメだと思う。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます