黒い雲が被ってきた。落雷の音も聞こえる。すると急に、パラパラと雨が降ってきた。それでも校庭から子どもたちの声がする。少年野球クラブが練習を続けているのだろうかと思い、グランドを覗いてみるとクスノキの下に集まって雨宿りをしている。雷が鳴っているときは、校舎の陰の方がいいのに、指導者は何をしているのかと思ってしまう。
今日は腹部のCT撮影の日。私のような検査の人、いつもの診察の人、リハビリの人、それにワクチンの4回目の接種の人で待合室は込み合っていた。私は待合室に掲げられているポスターの1枚が、はがれかかっているのが気になる。先月来た時と同じだったからだ。事務員さんも看護婦さんも、誰も気が付かないのだろうか。
患者が多いから看護婦さんもてんてこ舞いだ。事務員さんも受付だけではない、医療明細書を打ち込み、医療費を計算し薬を渡す作業に追われている。検査を受けても診察室に呼ばれるまで、いつもの倍の時間がかかる。患者は黙ってテレビを見ているか、持参した本を読んでいるか、スマホとにらめっこして時間を潰している。
私は薬をもらう時に、事務員さんに「ポスターがはがれかかっているよ」と言おうか、「私が言うことではないかも知れませんが、ポスター貼り直した方がいいですよ」と言おうか迷っていた。けれど、忙しそうな看護婦さんや事務員さんを見ていたら、余分なことは言うべきではないと考えが変わった。
「お大事に」と言われ、「ありがとうございます」と答えて薬を受け取った。来月は病院も夏休み期間があるから、私が来院するのは夏休み明けになる。その時になってもまだポスターがはがれかけたままだったらどうしようと、思ってしまった。「他人のことよりも自分のことを考えなさい」とカミさんの声がする。いや、落雷の音だった。
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