ここ数日、ずっと頭がさえてきた感じだった母ですが、昨夜寝る前にまた“ないもの探し”を始めました。何かはわからないけど何か大事なものがあるような気がしてそれを探すのです。もちろん、いくら探しても目的のものが存在しないので何も見つかりません。
昨夜は、いつもなら眠りについている時間帯にパジャマ姿で居間まで来て「何か忘れてると思うんやけど、ないかな?」 いや、オレに訊かれても(笑)。その時はそのまま眠ったんですが、明け方に呼び出しブザーが鳴って、駆け付けた妻に「お茶がなくなったから持ってきて」。だいたい、変な行動をするときにこういう呼び出しがあります。
私は、昨夜酒が過ぎたので遅くまで寝ていて、8時ごろに起きていきました。母は食事を終えて台所の食卓に座っていたんですが、目つきに余裕がありません。今日は手術をしていない右膝にヒアルロン酸注射をしてもらう予定だったので、お出かけ前に不安症状が出る母のことですから「またあたふたするのかな?」と思っていました。すると案の定、私がトイレに座っているときに、母と妻がガタゴト歩く音がします。トイレから出て「何?」と訊くと、妻が「また財布がないんやて」と半ばあきれ顔。そうこうするうちに医者に行く時間が近づいてきたので、着替えながら私が「財布、あったんか?」と母に訊くと「ない」とカバンを覗いています。先週もその前も、財布が枕の下に隠してあったので「枕、ちゃんとひっくり返して見てきぃ」と言うと、「そうやな」と探しに行って戻ってきた母は「やっぱりない」。
これは私がもう一度全部点検する方がいいな、と思ったので、居間にいる母のところに行くと、母はカバンをひっくり返していて、テーブルにはメガネなどと一緒に財布がありました。「なんや、ここにあるやんか。カバンに入ってたんか」という私に、私が指さす財布を一瞥してから「そんなん、財布と違う」と真顔で言います。それは入院以来ずっと母が愛用してきた財布です。「何を言うとるんや、これは財布やないか」と言っても「そうか? こんなん、ちがうで」と不思議そうな顔。「これはずっとおかんの財布や! 中、見てみぃ!」と思わず強く言うと、しぶしぶ中を見た母は、「こんなん、お金、入ってへん」 中には確かに折りたたんだ一万円札や千円札が見えます。「お金、あるやないか!」と怒り口調で言っても「こんだけしかないで、こんなん財布と違うで」 どんだけ自分が金持ちやと思うてるねん(笑) 思うに、母は何か違うイメージのものを思い描いて、それを財布と思い込んでいたのでしょう。私が「ええかげんにせぇ!」と怒鳴ると、やっとそれが自分の財布だと認めました。
あまりに情けなくて、私はその場を離れましたが、母は妻に「なんか、あいつに怒られてるから、あんた、助けてや」と言ってたようです。結局、事の理解ができていなかったんでしょう。それから「自分の部屋で少し休む」と言って自室に行っては2~3分でまた居間に戻ってきてカバンの中をガサガサと点検し、また部屋に行ってはまた戻る、という無意味に見える行動をしていました。
そのうち落ち着いてきたのでしょう、母が私のところに来て、そして、ひと息何事かを考えてから、「私、おかしくなったな、頭がぼうっとして、何を思うてるか自分でもわからんようになる」と言いました。認知外来への相談の話もして「おかんが自分で納得したら診てもらいに行こう」と言うと「そやな、診断を聞いてみたいし、聞くのはコワいし」と言うので、「無理に連れて行かへんから」と言うと頷いていました。
それから私が医者に連れて行った車中でも、普通の会話をすることができました。注射を終えて、和菓子屋さんに向かう途中に「何の話してたか、覚えてるか?」と尋ねると「ああ、…財布の話やな」と言いました。あたふたしている間のことはほぼ覚えていないのですが、ちゃんと頭が回っているようでした。妻と3人で買い物に行ったときも昼食の時も、母はもういたって普通でした。なんでああいうあたふたが突然現れるのか、その答えを知りたい気分です。
いつもの和菓子屋さん「菓子安」で桜餅と柏餅を買ってきて、お茶を飲みました。美味しかった♪
お昼ご飯は釜揚げうどんにしました。
ゴマ、ショウガ、青ネギ、もみのり、柚子皮を入れて、美味しくいただきました♪
途中で卵黄を入れて楽しみました♪
春菊の畝を掃除するときに、つぼみがたくさんあったので摘んで帰っていたんですが、いくつか咲いたので、妻が洗面所に置いてくれています。なかなかきれいな花でしょう?
門を入ってすぐに立派なシダが生えています。あまりにきれいなシダなので、無下に刈ってしまうことができていません。
今日はずっと雨がちのお天気で、午後も家に籠って過ごすことになりそうです。