9月中旬から気が向かなくてブログの更新も休んでましたが、下旬、Unknown氏による、オッサンが歩きながら吐く痰のような、もしくはオバサンがヒステリー起こしたときのようなコメントを読み、そうか、私にはまだ放射能についての勉強が足りないのかと思い至り、さっそくあれこれと読み始めました。
この他に加藤 貞幸氏の「放射線計測」、里見 宏氏の「放射線照射と輸入食品」、トップ画像の、福島県に移住して10年、田舎暮らしについての情報を発信しておられる方の著書で、事故後も現地で暮らし、私たちに知らされることのない情報も含め、現地の方々の日常を内側から記録したものも読みました。
著者の山本一典氏は原発事故後、放射能の危険性について専門家の意見がわかれていましたが、どの専門家の意見を信頼するのか、という判断において、3月21日の講演会で出会った福島県放射線健康リスク管理アドバイザーでもある、長崎大学の山下俊一教授を選択しました。
余談ですが、この講演会、確認した9月下旬当時は福島県のHPのトップから見にいけたのですが、なぜか今はなかなかたどり着けないということがわかりました。
福島で生きる著者が選択した専門家の意見を知りたい方は下記からごらんください。
探しにくかったページ→こちら
念のため。
講演会
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/kouhou_kouen110321.wvx
質疑応答
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/kouhou_kouen11032101.wvx
なお、質疑応答の中で、山下教授が「100マイクロシーベルト/hを超さなければ健康に影響を及ぼさない」と自信満々で言い間違えている部分があり、聞いた方からすれば大きな間違いだと思いますが、お詫びは上記のページの下の方に数行書いてありました。
講演会に行った方すべてが、この発言は間違いだと気がついていることを祈ります。
話を戻します。
山本一典氏は山下教授の主張を信じることにしました。
教授は1ミリシーベルトずつ100回被ばくするのと、一度に100ミリシーベルト被ばくするのとでは違うとし、一般の人はまったく心配いりませんし、低線量被ばくによる健康への影響は証明することができないと言われていると主張しておられます。
証明することが出来ないということは影響が無いということではない、どうなのかわからないから心配、と考えることが間違いで、科学の力で数値化し、その手段として「測る」ことをし、理性的になりましょうとも言われています。
たしかに理性的になるのは大切なことです。
ちょっと煽られると水や一部の食料品が買占めされ、本当に必要な人の手に渡らないということも発災後に見てきましたので、私もそう思います。
が、ただ、「測る」ということだけで理性ある行動を取れというのもどうかと思います。
影響が大きいかもしれないし、小さいかもしれないという今の段階では、リスクを大きくみることこそが予防の原則ではないでしょうか。
私達は原発事故後、何度想定外という言葉を聞かせられたでしょう?
起き得る災害や事故の最大限を考えて原発を作ったのではないという自白です。
あらかじめ決められた予算の範囲内におさめるためなどで、リスクを小さく見積もったということでしょう。
前にも書きましたが、リスクを小さく見てあとで「あぁ、あの時に…」と後悔したくない。
見知らぬ人から自分のことしか考えられない小さい人間だと指摘された私ですが、山下教授こそ自分の研究の為に実測データを欲しがっているように思えます。
大きなリスクを取るならば避難すべき場所にいる人たちを福島に留め、もし健康被害が出ても基準を決めたのは国だと言いかねません。
なので私は、山下教授の説を受け入れたくないのです。
他にも子供を守ろうというサイトによくある、世界がおどろく日本の基準値のゴマカシもわかっています。
それでも、放射線被ばくが子供の甲状腺や生殖腺に影響があることは事実です。
放射線被ばくで子供がすでに体内に持っている遺伝子を傷つけ、障害を持つ子供が生まれることがなるべく少なくなるよう、大人が守ってあげなければならないと思うのは自分勝手でしょうか?
よく考えてみましょう。
たった100人、累積で年間100ミリシーベルト以上の被ばくで発ガンの可能性が0.5%あるのですから、200人いれば1人がガンになるかもしれません。
福島の子供たちは何人いるのでしょう?
2千人いれば10人、2万人いれば100人、10万人いれば500人です。
これで健康に影響がないと言える感覚を疑います。
子供たちは、これまでに加え大気中の外部被ばくだけでなく、呼吸によって吸い込んだ放射性物質による内部被ばく、食物から取り込んだ放射性物質による内部被ばく、も背負うことになりました。
それもほぼ一生です。
それだけにまだ除染も済んでいない今、福島への復興バスツアーに子供連れで参加することに物申したかったのです。
立ち寄り先は、私も行った事があり、とても良い所なのですが、空間線量がこれから何十年も放射線とつきあっていかなければならない子どもには高すぎると思います。
指摘を受け、読んだ本は危険を煽るというより、どれも割と冷静に書いてあるほうだと思いますが、それでも不必要な被ばくはしないほうが良いという点で一致していました。
やはり、しなくていい被ばくは出来るだけ避ける。
これが基本です。
世界が広がったかどうかはわかりませんが、知識は広く深くなりました。
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