走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

条件をつける

2021年01月20日 | 仕事
子供が「お母さん、ケーキ食べてもいい?」と聞いた時の返事。
1. 今日の宿題を済ませたらね
2. 自分の部屋を片付けたらね
3. いい子にしてたらね

さあ、あなたがよく使う返事はどれですか?

飴と鞭。人間は報酬を貰えると頑張ります。飴ですね。なので叱る教育より褒める教育の方が子供は伸びます。鞭は使いません、と言う人が多いと思います。昭和の親父のように手を上げれば、怒鳴れば、と暴力や脅しが正しい教育やしつけだと思っている人は昔に比べてずいぶん減ったと思います(減っていて欲しい)。しかしその鞭は使わないと言っている人の中で知らず知らず上記のような条件を使う人がいませんか?1〜3の全ての回答が報酬を与えるための条件をつけています。とても良い子で宿題もすぐできて、部屋も散らかすこともなく、自分は良い子であると自負している子供にとってはなんてことない条件だと思います。

しかし、もしその逆で、宿題が苦手で、自分の部屋はめちゃくちゃ手のつけようのないぐらい散らかっている、学校でも家庭でも問題児扱いされている子だったら?

できるわけない難題を前に子供は報酬を得ることを諦めてしまいます。そして子供は自分はダメな子だとか親に愛されていないとか思い込んでしまいます。子供にもう少し頑張って欲しいから、、、のような親の思いとは反対の方向へ子供が進んでいくケースです。

で、何が大事か?条件を付けたいのなら、子供とその条件を何にするか話合い、子供に決めさせる事です。そしてできないであろうと思われるような高い目標を子供が立てないように、親はサポートするのです。どんなに小さな目標でも、毎日同じ目標でも達成感が得られる連続的な経験は人を強くしていきます。自信がついていきます。この連続が大袈裟に言えば人生の成功につながるのです。

そして達成可能な具体的な目標を立てることも重要です。先の選択の3はとんでもない間違いです。だっていい子の定義は何?具体性がまるっきしないからです。具体性のない目標を達成できる人間はいません。

ケーキごときで!と思われますか?経験の連続が人間を形成していくのです。貴方の子供は今は子供でも将来大人になるのです。こんな小さな事でも人生を成功するかどうかの分かれ道に立っている事もあるのです。

注意:人生の成功って言葉自体、私は嫌いです。人生の成功の定義って何よ?って突っ込みたくなるから。それは人それぞれということで、、、

続く




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。