走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

電子カルテの誤算

2015年04月16日 | 仕事
デビーが久しぶりにやってきた。デビーの以前の話はこちら。

非常に興味深い人だと思った。前回の診察以来、デビーは私の患者ではない、悲しいがこれが現実、大切なものを失くして喪に伏せている気分だとケアマネに話している。

ケアマネにミカが貴方を診ないと言ったのではなく、貴方がミカのところにはいかないと言ったのだから、自分の選択だった。そういう場合に喪に伏せてるとか言うものじゃないわよ。ミカの患者に戻りたいのならそう言ってみればいいんじゃないの?と言われている。

きっと自分のしたことにバツが悪く誰かに後押しをしてもらいたいのか、それとも悲劇のヒロインのポジションを失いたくないのか、、、。

ま、あれこれ考えても仕方ない。彼女は戻ってきた。もちろんこれからも患者として診て行くことになった。

で、今回の診察の理由もT3がもうすぐ切れるから早めに出して欲しい。

カルテ上ではあと1ヶ月ちょっと残っているはず。

んんん~薬局に電話をする。ちゃんと2週ごと出していて、早めに出すことはなかった。しかし残薬数はカルテより少ない。何故だ?

電子カルテの処方箋で遊んでみる。あーーー理由がわかった。早め早めにくる彼女はその度に新しい処方箋に書き換えられ差が2週間となってしまったのだ。
こんなことが起こるのね。彼女のおかげで勉強になったわ。処方をする時に気をつけなくっちゃ。




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