このタイトルは、今朝の日経の「列島追跡」というコーナーの記事タイトルそのままである。
かつて東京都副知事として東京の水道システムの海外進出を主導していた猪瀬直樹氏は、東京水道は世界に冠たるシステムであり、蛇口までの間に水が漏れる漏水率は僅か3%で(対して、ロンドンやパリですら20%程度)、加えて料金徴収率は99.9%に上ると豪語されていた(ある統計によれば、日本やパリの漏水率は5%、ロンドンは26.5%)。発展途上国では水道事情は深刻で、設備が未整備なことから「漏水」や「盗水」は日常茶飯事であり、料金徴収体制も全く不十分で、事業化調査(フィージビリティ調査)したマレーシアは、経済では東南アジアの優等生ではあるものの、「無収水率40%」すなわち漏水や盗水による物理的なロスと料金不払いによる商業的なロスは併せて40%もあって、水道供給量の60%しか売上として立っていないということだった。
しかし、日本の水道はともかく、日本の税金はダダ漏れで取りっぱぐれているのではないかという疑念を抱かせるような数字が、この日経の記事に出ていた。
総務省の「市町村税課税状況等の調」によると、2015年度に住民税の納税義務があったのは6,034万人で、昨年1月の成人人口から差し引くと4,535万人が非課税となる「低所得者」だったというのである。もっとも、ここから配偶者控除や扶養控除などの対象者を差し引いて2,908万人、更に生活保護受給者217万人(205年1月現在)を差し引いても、実に2,691万人が年100万円以下で暮らしていることになると言う。信じられない人数だ。最近、所得格差だの貧困化だのと言われるのは、このあたりの数字から出ている話だろうか。
最近、とんと聞かなくなったが、その昔、所得捕捉率の業種間格差に対する不公平を表す言葉として、「クロヨン」(9・6・4)なる言葉があった。実際に存在する所得を10として、そのうち税務署が把握しているのは、サラリーマンなどの給与所得は9割、自営業者などの事業所得は6割、農林水産業を営む事業者の所得は4割と言うわけである。また、「トーゴーサンピン」(10・5・3・1)なる言葉もあった。ここでは、サラリーマンなどの給与所得は10割、自営業者などの事業所得は5割、農林水産業を営む事業者の所得は3割、政治家の所得は1割という訳である。源泉徴収によりガラス張りの私たちサラリーマンにとっては、なんともやり切れない数字である。
税理士の知人によると、「マイナンバー」通知の受け取りを拒否している人が少なくないらしい。どうも総資産がバレてしまうのを嫌がっているようだ。まさに「マイナンバー」制度は、預金口座との紐付けなどにより、脱税や社会保障の不正受給を防止し、公正な徴税を目的とするものだったはずで、さて数年内に、この2,691万人という数字がどう動くのか、甚だ興味深いところではある。
かつて東京都副知事として東京の水道システムの海外進出を主導していた猪瀬直樹氏は、東京水道は世界に冠たるシステムであり、蛇口までの間に水が漏れる漏水率は僅か3%で(対して、ロンドンやパリですら20%程度)、加えて料金徴収率は99.9%に上ると豪語されていた(ある統計によれば、日本やパリの漏水率は5%、ロンドンは26.5%)。発展途上国では水道事情は深刻で、設備が未整備なことから「漏水」や「盗水」は日常茶飯事であり、料金徴収体制も全く不十分で、事業化調査(フィージビリティ調査)したマレーシアは、経済では東南アジアの優等生ではあるものの、「無収水率40%」すなわち漏水や盗水による物理的なロスと料金不払いによる商業的なロスは併せて40%もあって、水道供給量の60%しか売上として立っていないということだった。
しかし、日本の水道はともかく、日本の税金はダダ漏れで取りっぱぐれているのではないかという疑念を抱かせるような数字が、この日経の記事に出ていた。
総務省の「市町村税課税状況等の調」によると、2015年度に住民税の納税義務があったのは6,034万人で、昨年1月の成人人口から差し引くと4,535万人が非課税となる「低所得者」だったというのである。もっとも、ここから配偶者控除や扶養控除などの対象者を差し引いて2,908万人、更に生活保護受給者217万人(205年1月現在)を差し引いても、実に2,691万人が年100万円以下で暮らしていることになると言う。信じられない人数だ。最近、所得格差だの貧困化だのと言われるのは、このあたりの数字から出ている話だろうか。
最近、とんと聞かなくなったが、その昔、所得捕捉率の業種間格差に対する不公平を表す言葉として、「クロヨン」(9・6・4)なる言葉があった。実際に存在する所得を10として、そのうち税務署が把握しているのは、サラリーマンなどの給与所得は9割、自営業者などの事業所得は6割、農林水産業を営む事業者の所得は4割と言うわけである。また、「トーゴーサンピン」(10・5・3・1)なる言葉もあった。ここでは、サラリーマンなどの給与所得は10割、自営業者などの事業所得は5割、農林水産業を営む事業者の所得は3割、政治家の所得は1割という訳である。源泉徴収によりガラス張りの私たちサラリーマンにとっては、なんともやり切れない数字である。
税理士の知人によると、「マイナンバー」通知の受け取りを拒否している人が少なくないらしい。どうも総資産がバレてしまうのを嫌がっているようだ。まさに「マイナンバー」制度は、預金口座との紐付けなどにより、脱税や社会保障の不正受給を防止し、公正な徴税を目的とするものだったはずで、さて数年内に、この2,691万人という数字がどう動くのか、甚だ興味深いところではある。
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