仕上げ材を剥がしていくと…
みなさん、こんにちは。ミタス一級建築士事務所の清水です。
マンションなどは鉄筋コンクリート造が当たり前ですが、
戸建てでももちろんあります。
そのリフォームのため、本日、仕上げ材を剥がして床、壁、
天井のコンクリート部分をすべて現しにする作業を行っています。
そうすると、コンクリート工事がどういうようになされたかがわかります。
一般的に じゃんか と呼ばれる骨材(砂利の大きいもの)が
セメントペーストと分離しまっている状態や
打ち継ぎに隙間ができてしまうコールドジョイントという現象も
すぐわかってしまいます。
どの程度丁寧に工事を行ったかも、ある程度推測できます。
本日剥がしたこの建物でも、工事中には発見していたのでしょう、
不完全ですが補修はしています。
また、配管を埋めるためにコンクリートを削ってしまっています。
これは、完成時以降のリフォームで職人が行ったようです。
コンクリートの不良部分を埋めたり補修したりするのは、コンクリートの強度
という面もありますが、内部にある鉄筋が錆びないようにという意味も強いのです。
鉄筋コンクリート造は、コンクリートが圧縮の力を負担し、
鉄筋が引っ張りを負担していると思ってください。
鉄筋が錆びて力が無くなると、引っ張りには対応してくれませんから、
地震時のように横に力が入れば、壊れてしまいます。
地震などの横からの揺さぶりによって生じる引っ張り力が無ければ、
コンクリートだけでも建物は壊れることなく立っていることはできます。
そのため、鉄筋コンクリート造の寿命は、内部の鉄筋が錆びるまでの年数で
表現されることが多いのです。
外壁塗装やヒビ割れ補修のメンテナンスで、鉄筋コンクリート造の寿命を
伸ばすことが可能なのはこのためです。
補足しますと、
梁や床などの水平になっている部分は、自分の重さだけでも
横から力を受ける状態になります。
ヨーロッパの石造りの家でも、木材の梁や床を使っているのはこのためです。
窓の上部分にも木材を使って落ちないように支えていることもよくあります。
同じく石造りの外壁でアーチ型の形状や類似の形状は、それぞれの石が
押し合いながら落ちてこないように石を配置していますが、いつも
見るたびにうまく考えたなぁと感心します。
レオナルドダヴィンチの生家は500年以上経っていますが、
やはり窓上にナラ材かオーク材等の木を水平に入れて、
外壁を支えていました。
「これも500年前の木ですか?」と管理している
市の職員さんにお聞きしたところ、
「いや、メンテナンスしたので、取り替えたでしょう。」とのことしたが、
古い木なので、
『もしかしたら、この木も500年以上でダヴィンチも触っていた?』
と考えるとゾクッとしましたが、違っていたようです…。(^^)ゞ
横浜市 住宅リフォーム
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