緑地花文金襴
幕末〜明治大正期ころに盛んに制作された五月人形の武者人形に使用されていた金襴です。
前回のがらくた市で一体のみ粗末な木箱に入れて地べたに置かれていました。
本品はその武者人形の下半身に使用されていました。
裏地材料として使用されていたなかに明治42年のはがきも使用されていましたので、
制作年代はそれ以降となりますが、
使用されていた金襴はかなり古いものです。
このことから京都にいくつかある歴史ある人形制作店では、
道具屋さんや表具屋さんと同じく、
古渡りの金襴などが保管されているであろうことが推測できます。
全越地絡みの緑地花文金襴。
最後の2枚の画像は裏です。
白い部分が金箔の裏、つまり和紙です。
和紙に漆を塗り、そこに金箔を貼りつけて緯(よこ)糸として使用してあります。
約33×21cm前後
朱の部分も同じく全越地絡みの金襴です。
どちらも明代裂と呼んで差し障りないかと思います。