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2014年12月30日
今日はミラノから次の目的地への移動日です。
先ずは、ホテルのカフェレストランでしっかり朝食。
昨夜遅くにリナーテ空港で合流したアマフミさんを交え、Leonaさん共々3人で美味しく頂きます。ここミラノ中央駅裏のBio City Hotelの朝食は、コールドミールだけどハムもチーズも美味しくて良かった…特に自家製ヨーグルトがちゃんと用意されていたのには大満足!
ヨーロッパのホテルのヨーグルトは、きちんと手作りされた自家製だと文句無しの美味しさですからね。
腹ごしらえを済ませたら、Bio City Hotelをチェックアウトしてミラノ中央駅へ!
…でも、中央駅からは列車には乗らず、一旦地下街に潜ってメトロ(地下鉄)2号線に乗り、2つ先のガリバルディ駅へ。
メトロのガリバルディ駅に隣接して、イタリア鉄道のミラノ ポルタ・ガリバルディ駅があります。
この駅はミラノ市内の主要駅の一つなのですが、何故わざわざここまでやって来たのかと言うと…
ポルタ・ガリバルディ駅には高速列車Italo (イタロ)が発着しているのです!
Italo(イタロ)は、イタリアでの高速列車事業に新規参入した民間の鉄道会社NTVが運行する新しい高速列車。
「国鉄」を引き継いだイタリア鉄道トレニタリアが独占的に運行していた高速列車事業が自由化されるのに合わせて2012年に参入したばかりの、新進気鋭の高速列車です。
…そのためトレニタリアからは嫌われて妨害工作を受けてしまいミラノでは中央駅に乗り入れることが出来ず、やむを得ずポルタ・ガリバルディ駅を拠点にしているという噂があります。
かくの如く強固な国鉄勢力の牙城に民間企業が新規参入しただけあって、Italo(イタロ)はかなり気合の入ったイメージ戦略を展開して対抗しています。
とにかくデザインがCOOLでカッコイイのです!
列車の発着案内も、駅構内のItaloオフィスの壁に埋め込まれた液晶モニターに表示されるので分かりやすいしスマート!
基本的にItaloのサービスはLCC航空会社的で、乗車前の駅構内でもセルフサービスが徹底されています。
そしてこれが、Italoの列車!
真紅をまとった流線型の車体がとてつもないカッコ良さ!!これは鉄道好きならずとも思わず興奮します!!
この斬新過ぎるItaloの車体デザインは、かのジウジアーロが手がけたもので、Italoを運行するNTV社にフェラーリの会長が出資している関係でその意向が反映されたのか、何とフェラーリのスポーツカーと全く同じ真紅(ロッソ)が塗られているとのこと。
クルマ好きにもたまらない!?
さっそく、Italoに乗り込みましょう!
今日、ポルタ・ガリバルディ駅から乗車するのは10:27発の9923列車。チケットは事前にItaloの公式サイトで予約済みで、往復割引と早得割引が適用されているのでかなりお得に購入出来ました。こういった点もLCCと全く同じ感覚ですね。
もちろんチケットレスのEチケットなので、乗車前に列車のドア前で待機しているスタッフにiPadの予約確認画面を見せるだけでチェックインは完了!
Italoのデッキは宇宙船的な無機質感漂うデザインで、JR九州のSonic883に似た雰囲気。
透明ガラスの車端部デッキドアは近年のヨーロッパの高速列車の流行りですね。これもJR九州のSonic883や白い特急885系に印象が似ています。
こちらが車内インテリア。
Italoは座席のクラスもClub(ファーストクラス)・Prima(ビジネスクラス)・Smart(エコノミークラス)と飛行機のような3等級に分かれているのですが、今日は奮発してビジネスクラスのPrimaを予約購入してあります。まぁビジネスクラスでもかなり割引が効いているので助かったのですが(笑)
Primaの座席は横3列のゆったりした本革シート。座り心地は最高です!
車内ではWi-Fiが使えるし、座席にはちゃんと電源も用意されていて至れり尽くせりです。
さらに、ビジネスクラスらしく無料のウェルカムドリンクとスナックのサービスもあります。
ドリンクはどうやらワインやビール等のアルコール飲料も揃っている模様…
しかし2020年の「はやぶさ2」地球帰還まで酒断ちを誓っている僕はおとなしくコーヒーを頂きます。でもスタッフが入れ間違えたらしく、「あはは、間違えて紅茶も入れちゃった!よかったらこれも飲んでね」とサービス?してくれましたが(笑)
こんな感じで快適そのもののPrimaでくつろいでいるうちに、ポルタ・ガリバルディ駅を発車したItalo9923列車はミラノの郊外に出て、雪の残る田園地帯を快調に時速300キロで駆け抜けていきます。
Italoに使われている車輌は、フランスのアルストム社が開発した高速列車TGVの最新バージョンであるAGVと呼ばれる最新型車輌。乗り心地の良さはおそらく世界最高水準と思われます。時速300キロでも振動や騒音がほとんど気にならない素晴らしい走行性能です!
お昼の12時半、Italo9923列車はほぼ定刻にフィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ駅に到着。
列車はこの先さらにイタリアを南下してナポリまで行くようですが、我々はここで下車。
実に快適で、そう、正直に言うと「まだ全然乗り足りない!もっと乗っていたい!!」と思うような素晴らしい高速列車Italoの旅でした!
さて、名高い観光都市フィレンツェに着きましたが、今日の目的地はここではありません。
そう、我々はガリレオ・ガリレイの足跡を追う旅をしているのです。
…フィレンツェからローカル線の列車に乗り継ぎ、さらに旅を続けます。ガリレオが生まれた、あの斜塔の町を目指して!
→その14:ガリレオの生まれた町、ピサに到着に続く