3つの物語がリンク、その衝撃

6打数6安打で51本塁打51盗塁達成、島岡美延です。50‐50の号外が配られた頃にはその先へ、これが大谷翔平選手という「人間」（人間じゃない！との声も）。

映画界ではこの人が規格外。映画『憐れみの３章（27日公開）』をご紹介します。『哀れなるものたち』でエマ・ストーンの主演女優賞などアカデミー賞4部門を受賞、本作も「かつて観たことのない」世界観のヨルゴス・ランティモス監督。

接点のない3つの章からなる物語。俳優たちは別の人物を演じているけど、いつしか物語はリンクして最後には――。特にカンヌ国際映画祭男優賞受賞のジェシー・プレモンスが見事。

ジェシーが演じた人物を軸に3つの物語に触れると、①上司（ウィレム・デフォー）に選択肢のすべてを奪われ、人生を取り戻そうとする男。②海で失踪した妻（エマ・ストーン）が戻って来たのに別人にしか思えず恐れる警官。③教祖になると定められた特別な女を探す男女。湧き上がる「？」を味わって。