雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

夢のうちにありながら

2024-11-06 08:13:35 | 私の好きなフレーズ

 『 それほどの人物であってもなお、冒頭に挙げた和歌にあるように、「夢の中で夢をみているようだ」と詠んでいるのを思えば、生きることの難しさをつくづく感じさせられてしまう。 』


『 旅の世に また旅寝して 草枕 夢のうちにも 夢をみるかな 』
これは、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、大僧正までも昇り詰めた僧・慈円の和歌で、「千載和歌集」に採録されているものある。
    ( 中略 )
このように、ごく断片的な資料を求めただけでも、慈円という人物が、単なる歌人であるとか、単なる僧侶であるとかという観点からでは、その偉大さを知ることができないことがわかる。
しかし、同時に、それほどの人物であってもなお、冒頭に挙げた和歌にあるように、「夢の中で夢をみているようだ」と詠んでいるのを思えば、生きることの難しさをつくづく感じさせられてしまう。

     ( 運命紀行「夢のうちにありながら」 より )


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2 コメント

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コメントありがとうございました (雅工房)
2024-11-06 18:35:30
クリン さまへ
いつもご覧いただき嬉しく思っております。
貴ブログには、いつも惹き付けられています。
年齢によって物の考え方が変ることには全く同感です。
ただ、ある先人から、「人間って、何歳になっても、身体が動けなくなっても、意外に生きていけるものだよ」と言う話を聞いたことがあります。
私も、自分の年を忘れて、万葉集に挑戦しようと考えています。
今後ともよろしくお願いいたします。
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Unknown (クリン)
2024-11-06 17:15:07
さすが慈円・・✨うなってしまいますね🐻・・
(後鳥羽上皇をいさめただけあります・・)
しかし西行なら「いかにも」な言葉・・慈円だからこその価値と言いますか、ちがった重みをかんじます💎
なんだか自分も家族もだんだん年をとってきて、もののとらえ方・見方が変わってきましたので、こういう一語一語にグサッときてしまいます!
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