きものの華、友禅染①
美服禁令から生まれた友禅染
江戸時代には度々贅沢禁止令が出されていますが、生類憐れみの令で有名な五代将軍・綱吉の時代、天和三年(1683年)正月に発せられた奢侈禁止令では、小袖に金糸、刺繍、総鹿子を用い、贅を尽くすことを幕府が禁止したため、きものの文様、表現技法は大きく変わらざるを得なくなりました。
その禁令をきっかけに登場した染色界のスーパースターが、井原西鶴の「好色一代男」などに登場する当時最も有名な扇絵師で、「友禅染」にその名を今に残す、宮崎友禅斎です。
*写真/昭和29年、知恩院・友禅苑に友禅斎生誕三〇〇年を記念して建てられた銅像