川や池を見るのが好きだ。
下水が完備してきたせいか、このごろの街中の川は、私が子供の頃よりきれいになったと思う。
おとといの吟行で見た名古屋市内の旧東海道の街中を走る川も、思いがけなく水が澄んでいて、真白な千鳥が羽を休めていた。
昨日は、いつも散歩に行く池で、見たことのないものを見て、興奮して帰ってきた。
池の傍で、いつものように柵に手をついて手で庇を作って、水面にキラキラはじける波の光を見ていると、
鴨に混じって、右手後方から、何かがやって来るような気配がして、それが動くとたしかに水が動く跡ができて、
これは目の錯覚かそれとも風に散る波が動いているだけなのかと思って見ていたら、
やっぱり何者かがスースーと音もなく泳いできたのだ。
泳いだ後の三角形の軌跡が水面に刻まれていくその先に、
小動物が、気持ちよさそうに、顔を半分だけ水から出して水面を渡っていく。
そのうち、岸辺の方にいる鴨に近づくように泳いできたので、
あっ、鴨を襲うのかと見ていたら、
お互いに、まったく関係なし、といった風情で、鴨は鴨、小動物はまたスースーと泳いで遠くへ行ってしまった。
泳ぎがうまく、無駄な動きが全然なく見惚れてしまった。
ネズミかな?垂れ目で髭があって。まさか、猫だろうか。泳ぐ猫?
いや、うちの猫より一回り大きい感じで、顔が猫のようなネズミのような
そうだ!カピバラだ。
いや、カピバラは泳げたか?
さっそく「花と生き物図鑑」のDSで、条件検索をして行き着いた名前が「ヌートリア」だった。写真を見ると、さっき見たのとおんなじ。これだったのだ。
ヌートリアは、本来は南アメリカにいる外来種の哺乳類で、戦前に毛皮が軍服用になるというので輸入され、その後、西日本を中心に湖沼で生息し、昼間は田んぼの畦道を掘り返して穴を作ってすんでいるらしい。食べるものは主に湖沼の周りの植物だと書いてあった。別名沼狸ともいうらしい。体重は6キロから8キロぐらいと書いてあったので、やはり中型から大型の猫ぐらいである。
田んぼの畦を崩す被害をもたらす動物として、けっこう厄介者扱いされて、駆除の対象としている地方もあるらしい。
でも元々は人間の都合で南アメリカから移住させられたのに、ね。
ヌートリアは、春の湖を目を細めて本当に気持ちよさそうに泳いでいた。その姿を見たら、なんだか涙が出そうになった。
本当に泳ぎがうまいとこうも静かで無駄な動きがないものなのか。人間がオリンピックで繰り広げるバタフライとかクロールとか、あれは一体何のためにバタバタと水しぶきをあげて、あんなに騒がしい泳ぎ方をするのか。スピードを競うためにだけだとしたら、ヌートリアの泳ぎに比べてなんとみっともないことか。それとも本当に達人は人間でもヌートリアのように静かに泳ぐのか。
春風のように水面を泳いでいくヌートリア。じっと見つめる人間も、近くにいる鴨もまったく気にしないで悠然と泳いでどこかに消えたヌートリアに感動、早春の一日。
下水が完備してきたせいか、このごろの街中の川は、私が子供の頃よりきれいになったと思う。
おとといの吟行で見た名古屋市内の旧東海道の街中を走る川も、思いがけなく水が澄んでいて、真白な千鳥が羽を休めていた。
昨日は、いつも散歩に行く池で、見たことのないものを見て、興奮して帰ってきた。
池の傍で、いつものように柵に手をついて手で庇を作って、水面にキラキラはじける波の光を見ていると、
鴨に混じって、右手後方から、何かがやって来るような気配がして、それが動くとたしかに水が動く跡ができて、
これは目の錯覚かそれとも風に散る波が動いているだけなのかと思って見ていたら、
やっぱり何者かがスースーと音もなく泳いできたのだ。
泳いだ後の三角形の軌跡が水面に刻まれていくその先に、
小動物が、気持ちよさそうに、顔を半分だけ水から出して水面を渡っていく。
そのうち、岸辺の方にいる鴨に近づくように泳いできたので、
あっ、鴨を襲うのかと見ていたら、
お互いに、まったく関係なし、といった風情で、鴨は鴨、小動物はまたスースーと泳いで遠くへ行ってしまった。
泳ぎがうまく、無駄な動きが全然なく見惚れてしまった。
ネズミかな?垂れ目で髭があって。まさか、猫だろうか。泳ぐ猫?
いや、うちの猫より一回り大きい感じで、顔が猫のようなネズミのような
そうだ!カピバラだ。
いや、カピバラは泳げたか?
さっそく「花と生き物図鑑」のDSで、条件検索をして行き着いた名前が「ヌートリア」だった。写真を見ると、さっき見たのとおんなじ。これだったのだ。
ヌートリアは、本来は南アメリカにいる外来種の哺乳類で、戦前に毛皮が軍服用になるというので輸入され、その後、西日本を中心に湖沼で生息し、昼間は田んぼの畦道を掘り返して穴を作ってすんでいるらしい。食べるものは主に湖沼の周りの植物だと書いてあった。別名沼狸ともいうらしい。体重は6キロから8キロぐらいと書いてあったので、やはり中型から大型の猫ぐらいである。
田んぼの畦を崩す被害をもたらす動物として、けっこう厄介者扱いされて、駆除の対象としている地方もあるらしい。
でも元々は人間の都合で南アメリカから移住させられたのに、ね。
ヌートリアは、春の湖を目を細めて本当に気持ちよさそうに泳いでいた。その姿を見たら、なんだか涙が出そうになった。
本当に泳ぎがうまいとこうも静かで無駄な動きがないものなのか。人間がオリンピックで繰り広げるバタフライとかクロールとか、あれは一体何のためにバタバタと水しぶきをあげて、あんなに騒がしい泳ぎ方をするのか。スピードを競うためにだけだとしたら、ヌートリアの泳ぎに比べてなんとみっともないことか。それとも本当に達人は人間でもヌートリアのように静かに泳ぐのか。
春風のように水面を泳いでいくヌートリア。じっと見つめる人間も、近くにいる鴨もまったく気にしないで悠然と泳いでどこかに消えたヌートリアに感動、早春の一日。