肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

ソブリアード後ダクルインザとスンベプラ使用患者さん 13例中10例終了時陰性化 C型肝炎治療

2015年05月15日 | C型肝炎ウイルスの治療
 

C型肝炎ゲノタイプ1bの方の治療です。
ソブリアード後 陽性化が確認された患者さんで、急ぐ方にダクルインザとスンベプラを使用し終了時点のデータが出ました。
肝がん治療後の方は再発しやすいため終了時に陰性化して肝予備能が改善して治療の安全性が高まりました。
よかったです。一時的に肝機能が改善するだけでも肝がんの治療が受けられる方がいることが重要と思いました。
2015年5月15日時点

治療理由・ダクルスンベ終了時・その後の経過
①肝がん・陰性化・終了時肝がんあり、ウイルスはその後、まだしらべていない
②ALT高値高齢・陰性化
③肝硬変・陰性化
④肝硬変・陰性化
⑤肝硬変・陰性化
⑥肝がん・そぶり中断途中皮膚症状にて中止陰性化はしてた 陰性化・ 終了時肝がんあり治療へ
⑦肝硬変・陰性化
⑧肝がん・無効 そぶりでびくともしない
⑨肝がん・無効 そぶりでびくともしない
⑩肝硬変・陰性化
⑪ALT高値高齢・陰性化 そぶりでびくともしない
⑫ALT高値高齢・一度陽性になったがその後陰性
⑬肝がん・途中陽性・途中陽性

ソブリアードではびくともしなかった無効例の3例の方のうち1例は陰性化しました
13例に使用 終了時に10例(77%)が陰性化 このままSVRになってくれるともっといいですね。

ダクルインザとスンベプラが効かなかった方へ 次へ進むために

2015年05月15日 | C型肝炎ウイルスの治療
 
 2014年9月から使えるようになった、ダクルインザとスンベプラについて、耐性ウイルスがあるからと治療を待てる状態にある方はそのイメージで過ごして頂くことが大事です。しかし、使う方がいいと判断にて開始した患者さんで効果が無かった方にはいろんな話が出てきているので少しでも安心できるようにと書いてみました。安心するために都合よく書いているところがあると思う方もいるかとは思いますがこう思うことが大事だと思って書いています。
2015年4月30日作成

20年以上前、インターフェロンの効果がないと、意味がない、まったく元に戻って辛いだけと言う説明をしていた先生方沢山いました。でも、インターフェロンの時でさえ、何度も繰り返すことで効くようになった患者さんがいました。そして、効果がないと言われても続けたことで発がん抑制の効果はあり得るというデータも出てきました。
その使われ始めた当時は、効果がなければ肝がんの抑制がないと言われたりもしていました。でも、いまは、効果があるって言う先生がほとんどです。

ダクルインザとスンベプラも、陰性になった方にとっては間違いなく、効果があっていい薬と言うことが言えると思います。ただ、陰性にならなかったらまったく効果がないとか、それによって耐性ができて治療しないよりさらに悪いことにつながるという話は、言い過ぎと思っています。結果論で待った方がよかったという話はあり得ると思いますが、本当に発癌がゼロに近い状態で待てる方は、私の担当している患者さんにはそうそういません。(もちろん担当する患者さんの進行度合いが病院によってもかなり違うので、あまり参考にならないかも知れません)発がん抑制についてのエビデンスはこれからですが、陰性化したり,ALTが正常化したりしたかたについては、間違いなくその分発癌は遅れているはずです。それが、どのくらいの期間に相当するかは今後の研究で見えてくると思いますが、今までのインターフェロンでもここまで肝予備能を回復させてくれた薬はありません。(最初からダクルとスンベが全く効果が無い方については、この薬で効果がなかったと言うことが次の薬を使う上で重要になりますので、これもよかったと言っていいと私はとっています)
なので、肝がんになる危険性があると判断して使った方については、発癌の芽が出る前であれば数ヶ月でも発癌の時期を遅らせることにつながっていると思われます。これはこの間の治療の反応から見てもまず間違いないでしょう。待っている間にガンの芽ができてしまったらそのあとになんぼ治療をしても消せなくなることがあるのです、だから、発癌の危険をもっていると判断して治療しているなら、ALTの改善、ウイルス陰性化といった効果があれば間違いなく時間を稼げたと思います。
なので、やらなければよかったと思うよりやってよかったと思うようにして下さい。そしてそう思う方が次の治療を効果的にしてくれます。
自分が必要な治療に巡り会うイメージを常にもって過ごして下さい。

少なくても、私の20年の肝臓専門医で治療してきた流れから、今回のダクルインザとスンベプラがきかなかった方にはこういう説明をしています。

そして、まちがいなく耐性ウイルスをやっつける薬がでてきます。早いほどもちろんいいですけどね。私の予想では、稼いだ時間の間に出てくれるくらい早いと思います。それはもうある薬かも知れません。100%ということは難しいかも知れませんが、最終的には、いろんな作戦で到達するレベルには行くと思います。そこは、先生方が必ず作ってくれると信じましょう。C型肝炎ウイルスの飲み薬は10年前には、出てくると予想し切れた人はいませんでした。それがもう出ているのですから、耐性のウイルスへの薬も間違いなくできてきます。その間できるだけ肝臓を元気に保つこと、待つことなく絶え間なく元気に保つようにイメージしてがんばっていきましょう。

「B型肝炎訴訟」多中心性発がん (たちゅうしんせいはつがん)の怖さと 和解条件の拡大実現

2015年05月11日 | 肝炎救済に関連して
川上博史さんのブログからコピペです。

「B型肝炎訴訟」多中心性発がん (たちゅうしんせいはつがん)の怖さ
長年肝炎患者会を運営していると様々な悲しい患者さんの運命に出会う。
 特にB型肝炎患者さんの場合、バタバタと進行して亡くなってしまう。中には10数年前に肝がんをすべて潰したのに、再発した患者さんもいた。
 この再発には、多中心性発がんという、がんの発生の仕方がかかわっていると考えられている。多中心性発がんは、1つの臓器に複数のがん病巣が発生する現象のことで、同時に発生することもあるし、時期を異にして発生することもある。
 問題は、時期を異にして発生してくる多中心性発がんで、治療後に再発する肝細胞がんのかなりのものがこれではないかと考えられている。・・モグラたたきのようなもの。
 3月27日、全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団B型肝炎と国との補充合意では、これまで取り決めがなかった発症から20年以上が経った患者も救済の対象となり、死亡、肝がんや重度の肝硬変の患者さんには給付金を出すことで合意した。また、一定の条件で肝がんが再発した患者は、再発した日を基準日として給付されることも決まった。
 この肝がんの再発が多中心性発がんであり、B型肝炎の怖さなのですが、ようやく国側がB型肝炎のメカニズムを認め、肝がんが再発した日を基準日としての補充合意に至った。
 これは人間社会の除斥期間をB型ウイルスさんへ適用させようとする愚かな行為であり、感染被害者の除斥問題を完全撤廃することを国に求めたい。また、肝がんで苦しんでいる患者さんの精神的苦痛を取り除くよう最大限の医療補助を求めたい。

北海道新聞 03/27より引用
 集団 予防接種 でウイルスに感染したとして、患者らが国に損害賠償を求めた B型肝炎訴訟 の全国原告団と国は27日、札幌地裁(本田晃裁判長)で、2011年に結んだ和解の基本合意で給付金の支払い対象外となっていた発症後20年超の肝がんや肝硬変の患者について、救済の枠組みを広げる新たな合意書を締結した。これに基づき、道北在住の原告1人が国と和解した。
 対象となるのは、発症から20年以上経過して提訴した肝がん、肝硬変の患者と、死亡から20年以上経過した患者の遺族で、厚労省の推計では全国で約160人。給付金は、肝がんや重度の肝硬変の患者の場合は900万円、軽度の肝硬変の場合は600万円(治療歴がない場合は300万円)とした。
 一定の条件を満たした肝がん患者については最初の発症ではなく再発した時点に起算点をずらし、現行の3600万円を支払う。厚生労働省によると、道内患者を含めて80人程度が全国で係争中で、今後は順次、和解が成立する見通し。

  民法 では損害発生から20年の「 除斥期間 」を過ぎると、賠償請求権がなくなるとされる。和解の基本合意に際しては、解決を急ぐために発症後20年超の患者の扱いが棚上げされ、その後の訴訟で争点となっていた。
 27日に和解が成立したのは道北在住の70代男性。男性は提訴する22年前の1990年に肝がんを発症したが、94年と2006年に再発しており、新たな合意の基準が初めて適用された。
 新たな合意書の締結を受け、全国原告団・弁護団は札幌市内で記者会見した。和解した男性は「原告の提訴が遅いからといって国に責任がないわけではない。私の和解が済んでも、まだ苦しんでいる方が数多くいる」と強調。原告団の田中義信代表(56)=東京都=も「国による医療費助成がないという課題もある。国は患者の思いを真摯(しんし)に受け止めてほしい」と訴えた。
 
 
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ホルミシス効果2 崎谷先生のメールから

2015年05月08日 | 健康になるために 生き方について
 
 ←お勉強して納得するにはこっちがお勧め
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■「ホルミシス効果について~その二」
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みなさん。こんにちは。崎谷です。「ホルミシス効果」の続きです。
2009年に素晴らしい研究結果が発表されました。それは私たちのエネルギー産生場所である「ミトコンドリア」の研究です.
ミトコンドリアは栄養と酸素からエネルギーを産生します。その際に不可避に副産物が出ます。それはみなさんご存知の活性酸素(フリーラジカル)。
フリーラジカルは、細胞膜や遺伝子にアタックし、変性させます。
ほとんどの病気は究極的にはフリーラジカルが原因となっています。慢性炎症もしかりです。さて、その研究の内容は・・・・
短期間の高強度の運動などのストレスによってミトコンドリアから発生するフリーラジカル。これは逆にミトコンドリアの数を増やすなどの抗酸化能を高めるというものです。
さらに、抗酸化サプリメントを投与するとせっかくの「ホルミシス効果」による抗酸化能がなくなってしまうことも分かりました(Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 2009;106(21):8665-8670)。

また線虫にカロリー制限食を与えると長生きすることが分かっています。(狩猟採集時代の短期間の飢餓が生体を強くしたことと同じです)
この状態の線虫にビタミンや抗酸化サプリメントを与えると寿命が縮まりました。
更新されるメディカルパレオプログラムでサプリメントの問題を挙げていますが、このミトコンドリアの「ホルミシス効果」を相殺してしまうことも、私が積極的にサプリメントをお勧めしない大きな理由です。

それでは「放射能や重金属などの毒性物質も多少はよいのか?」という疑問がよぎりますね。
これは拙著『間違いだらけの食事健康法』(技術評論社)に分かりやすく説明しております。
個々人のミトコンドリアの備蓄によるというものです。
樽の中の液体(毒性物質)がいっぱいであれば少量の毒性物質でも発症する可能性があります。
まだ樽の中の液体(毒性物質)が少ない状態であれば少量の毒性物質は「ホルミシス効果」が働くかも知れません。
したがって「少量の放射能は健康に良いのだ」というのは少し乱暴な議論ですね。

樽がいっぱいのひとには最後の引き金になりかねません。
パレオライフスタイルはこの樽の液体を少なくし「ホルミシス効果」の恩恵を最大限享受できるものです。

2015年5月院長挨拶 胸とおなかは元気ですか?

2015年05月07日 | 医療講演や歌の集いの動画
150501院長挨拶

2015年5月のスローガンは胸とおなかは元気ですか?にしようと思います。高血圧や糖尿病など慢性疾患で通院されている方はこの機会に是非体のチェックもしていくようにしていきましょう。当院では胸とおなかについてチェックする体制が整っています是非ご活用ください。

脂肪肝炎にビタミンDが効果的かも? ビタミンD投与で4週後にNAFLD患者の肝脂肪量が減少

2015年05月04日 | 学会研究会報告新聞記事など
日経メデイカルからの抜粋です。

ビタミンD投与で4週後にNAFLD患者の肝脂肪量が減少 2015/4/26 欧州肝臓学会取材班
ドイツSaarland University Medical CenterのCaroline Stokes氏
 ビタミンDは非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の発症や病態に深く関与しており、NAFLD患者は血中ビタミンD濃度が低下していることが報告されている。そのため、ビタミンD不足を是正すれば肝脂肪症が改善する可能性がある。今回、肝脂肪蓄積が認められる患者において、ビタミンD投与により肝脂肪量が減少すること示された。欧州肝臓学会(EASL2015、4月22~26日、ウィーン開催)で、ドイツSaarland UniversityMedical CenterのCaroline Stokes氏らが報告した。

 本研究は単一施設においてオープンラベル、単群で実施
され、肝脂肪蓄積が多く認められる患者40例に対してビタミンDを投与し、肝脂肪量の変化を比較検討した。肝脂肪量の測定には非侵襲的な評価指標であるCAP(controlled attenuation parameter)を用いた。
 ビタミンDとしてコレカルシフェロール(ビタミンD3)20000 IUを最初は7日間連続で、その後は週に1回、6カ月後まで投与した。初期にコレカルシフェロールを連日投与したのは、栄養状態が不良だと反応性が低いことが報告されているため。なお、ライフスタイルへの介入は行っていない。
 対象の年齢は54.9歳、男性が21例、BMIは29.5kg/m2、BMI 30kg/m2以上が45%を占め、体脂肪率は32.3%、内臓脂肪スコアは11.4だった。4週後は全例を追跡できていたが、3カ月後は33例だった(6カ月後のデータは集計中のため未発表)。
 その結果、4週間のビタミンD投与により、血中25(OH)Dは11.8ng/mLから34.6ng/mLに有意に上昇(P<0.001)、副甲状腺ホル
モン(PTH)は41.5pg/mLから34.5pg/lLに有意に低下し(P=0.002)、CAPは329.8dB/mから310.8dB/mに有意
に下がっていた(P=0.012)。なお、BMI、体脂肪率、ALT、ASTなどでは有意な変動が認められなかった。
 今回の検討から、肝脂肪症は4週間のビタミンD投与で改善すること、CAPは肝脂肪症の変化を鋭敏に評価できるこ
とが示された。Stokes氏は、「治療反応性の高い患者を対象としたランダム化比較試験を行うとともに、ビタミンD投与による肝細胞の脂質リモデリングの分子機序を解明する必要がある」との見解を示した。

アルコール依存症患者さんへ朗報か! アルコール依存症、バクロフェンで飲酒量が激減

2015年05月04日 | 学会研究会報告新聞記事など
日経メデイカルからの抜粋です。
http://cmad.nikkeibp.co.jp/?4_--_254446_--_366256_--_2
欧州肝臓学会2015 2015年4月22日~26日 Vienna, Austria
アルコール依存症、バクロフェンで飲酒量が激減 2015/4/27欧州肝臓学会取材班

 アルコール依存症患者にバクロフェンを1年にわたって投与したところ、アルコール消費量が大幅に減り、飲酒に関連するマーカーの値や肝機能などが改善した。フランスCentre Hospitalier Intercommunal CreteilのCamille Barrault氏らが、欧州肝臓学会(EASL2015、4月22~26日、ウィーン開催)で発表した。
 バクロフェンはγ-アミノ酪酸(GABA)の誘導体で、中枢性筋弛緩薬として日本では脳血管障害などによる痙性麻痺に使われている。これまで、バクロフェンにアルコール消費量を減らす作用があるとの報告が幾つかされている。そこでBarrault氏らは、アルコール依存症に対するバクロフェンの有効性と安全性を検討するため、単群、オープンラベルの前向き試験を行った。
 2010年6月~2013年9月にアルコール依存症の専門外来を受診した、連続した患者100人にバクロフェンを1年にわたって投与し、有効性と安全性を評価した。バクロフェンは15mg/日で開始し、アルコールへの依存症状がなくなるまで、週単位で漸増した。
 患者の平均年齢は53歳、男性が75%、Child-Pugh分類Aの肝硬変が65%、Bが20%、Cが15%で、16%が膵炎を合併していた。平均飲酒期間は15年だった。
 1年間のバクロフェンによる治療を完遂したのは83人。バクロフェンの投与量の中央値は40mg/日だった。追跡期間中の脱落が9人、死亡が4人、肝移植が1人、バクロフェン投与中止が3人あった。 
1年間の治療後、1日のアルコール消費量の中央値は、106gから18gに有意に減った(P<0.0001)。83人中77人が、1日のアルコール消費量
が治療前の半分以下になった。その内訳は、禁酒が44人、アルコール消費量30g/日以下が20人、同30g/日超が13人だった。
 禁酒に成功した44人とアルコール消費量30g/日以下になった20人、計64人の解析では、飲酒に関連するマーカーの値や肝機能の改善が確認された。γGTP、ASTも有意に減少していた(ともにP<0.001)。プロトロンビン時間は69%から77%(P<0.001)、ビリルビンは34μmol/Lから19μmol/L(P=0.026)、アルブミンは34g/Lから37g/L(P=0.007)に変化した。
 有害事象は20人で報告され、2人がバクロフェンを中止した。肝機能や腎機能の低下はなかった。

 1年間のバクロフェン投与により、アルコール消費量が減り、飲酒に関連するマーカーや肝機能の改善が確認された。「バクロフェンはアルコール消費量を劇的に減らすことができ、忍容性も十分だった」と、Barrault氏は結論付けた。

ホルミシス効果 崎谷先生のメールから

2015年05月03日 | 健康になるために 生き方について
 
 ←お勉強して納得するにはこっちがお勧め
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■「ホルミシス効果について~その一」
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みなさん。こんにちは。崎谷です。
「ホルミシス効果」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか?
おりしも福島原発事故後の放射能の害悪について賛否両論に分かれました。
放射能の害悪がないと主張する方たちの根拠には、放射線による「ホルミシス効果」があり、むしろ体に良いのだというものがあります。
「ホルミシス効果」とは、毒性物質やストレスがかかると体が傷害を受けますが、その修復過程でむしろ健康効果が高まるというものです。ただし、傷害を与える物質が過量になるとこの効果はもちろん認められません。

さて、人体に本当に「ホルミシス効果」があるのでしょうか?
「ホルミシス効果」は、すでに1888 年にドイツの薬理学者が酵母を使った実験で、酵母に対する殺傷能力のある毒性物質を
ごく少量与えたところ、死滅せずに成長したという観察実験が最初です。(実際に「ホルミシス効果」という言葉が使用されたのは1943年です)
しかし・・・・
その前に狩猟採集時代に答えが出ています。狩猟採集時代には、いつも豊富に食糧が手に届くところにはありませんでした。狩りや採集では食糧が確保できないときもしばしばありました。このような短期間の飢餓状態は狩猟採集時代においては常態だったと考えられます。

このことを最近裏付ける研究結果がたくさん出ています。(今度、リニューアルされるメディカルパレオプログラムにも詳述しておりますので、是非ご参考にされてくださいね)。
短期間の飢餓状態=カロリー制限がガンや慢性病を改善させるという研究です。( Oncologist 2013;18(1):97-103. etc.)
さらにある種の運動で短期間の負荷を体にかけると脳の機能改善、筋肉の増大、免疫機能の向上が認められることも研究報告されています。
(これもメディカルパレオプログラムの「パレオフイットネス」で詳しく説明しておりますので、楽しみにされてください。」)

つまり、最近の実験結果から狩猟採集時代にあった短期間のストレスはむしろ体を丈夫にするという「ホルミシス効果」が証明されてきたということなのです。
それでは「ホルミシス効果」はいったいどこに働いてるのでしょうか?これを次回説明していきたいと思います。

今回は、その研究結果について考察していきたいと思います。
この研究は、カラハリ砂漠に現存するブッシュマン(狩猟採集民族)についての調査です。

人類は約100万年前から「火」を使い始めました。それを調理などに定期的に使い始めたのは約40万年前と推定されています。ところがその「火」。調理ではなく、もっと大切な目的に使用していました。それは・・・・日が暮れてからのメンバーの「コミュニケーション」です。
今回の現存する狩猟採集民族の研究では、昼間と日が暮れてからの火を囲んでのコミュニケーションに大きな違いがあったことが判明しました。
具体的には
昼間のコミュニケーションでは、
・ゴシップ(他人の噂話)
・他人の批判、
・不平・不満
・経済的問題(食糧問題)
・人間関係
など、コミュニティの社会問題がほとんどでした。
これは、いわゆる主婦にみる「井戸端会議」といわれるものと同じですね。

ところが、夜のキャンプファイアーを囲むコミュニケーションでは
・ストーリー(人々の絆と深めるため)
・スピリチュアル
・歌、踊り
などがほとんどでした。

つまり夜の「火」を使ったコミュニケーションは昼間の人類の揉め事や感情の軋轢などをすべて「洗い流す」し、人類本来の姿を取り戻す時間帯だったのです。
おそらく忙しい現代人は日中は過去起こった辛いこと、楽しいことあるいは将来の不安や「~しなればならない」にとらわれて「本来の自分」を見失っているでしょう(かくいう私もその代表です)。
これを私たちの現在の生活に置き換えると、夕食の時間あるいは、夕食後の家族との団らんが非常に重要な意味をもってくるのではないでしょうか?少し自分の日中の「とらわれ」から一歩下がって自分を見つめる時間が欲しいものですね。

白老と安平鹿公園のさくら

2015年05月03日 | 花、植物、風景
 


 
 
白老(上2枚)と安平(下5枚鹿公園)での医療講演に行ったとき、さくらがちょうど満開って感じでした。きれいでしたー。安平の鹿公園って日本最古の保健保安林なんだそうです。シランかった。

保健保安林は
森林レクリエーション活動の場として、生活にゆとりを提供します。また、空気の浄化や騒音の緩和に役立ち、生活環境を守ります。
なんだそうです。