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「宮沢賢治」でございます!(その2)

2016年07月19日 | 小説・映画等に出てくる「たばこ」
「風の又三郎」②
【83ページ】
それからゆっくり、腰からたばこ入れをとって、きせるをくわえて、ばくばく煙をふきだしました。奇体だと思っていましたら、また腹かけから、何かを出しました。「発破だぞ、発破だぞ。」とみんな叫びました。一郎は、手をふってそれをとめました。庄助は、きせるの火を、しずかにそれへうつしました。
【85~86ページ】
「あ、あいづ専売局だぞ。専売局だぞ。」佐太郎が云いました。
「又三郎、うなのとった煙草の葉めっけだんだぞ。うな、連れでぐさ来たぞ。」嘉助が云いました。
「なんだい、こわくないや。」又三郎はきっと口をかんで云いました。

[ken] 川魚を取る方法には、(1)釣り(2)仕かけ(3)投網(4)手掴みなどがありますね。手掴みについては、私の地元で「あでひひぎ」と呼んでおり、真夏になると家族の男たち総出で久慈川に出かけたものです。その話をすると、「泳いでいる魚を手で掴めるわけがない」と友人たちから相手にされませんでしたが、成立する次のような理屈を述べると納得してくれました。①真夏の昼どきになると魚は岩陰や草の根本で休んでいる、②人の手をしばらく川に浸しておくと水温と同じになる、③ゆっくりと魚を両手に追い込んでも魚は気づかない、④それで魚をギュッと掴めば取れるのです。本書のような、発破を仕かけるのは見たことも、やったこともありませんが聞いたことはあります。なお、83ページの庄助という文字を見て、「あっ、私の親父の名前と一緒じゃないか」と親近感がわきました。(つづく)
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