ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

秘密道具 紐

2012年10月02日 | 木工
台風一過。昨日ですけど。
台風の後、急に金木犀が匂いだしました。







川は台風の翌日は茶色に濁っていましたが、一日たってこのような緑色になりました。
地元の人は「笹濁り」と呼んでいる川の色です。






色付いた柿を鳥がつついています。




珍しく合板の仕事をしています。本体の箱だけは合板、扉は無垢材の下駄箱・クローゼットです。
本体は壁の中に入ってしまうので、無垢で作っても見えなくなってしまいます。
合板を使っても、なるべく無垢でできているように見せます。無垢材のところは栗材。





合板(ランバーコア)の木端はこんな感じ。ここに無垢の薄い板を貼ります。





木端に薄い板を貼るのにはのりを付け、このように紐を使って圧着します。

この紐は長い一本の真田紐です。
この道具は仕事を教えていただいた人からの伝授で、東京の和家具職人が使っていたもの。
箱や額、今回の木端張りなど、いわゆるクランプでは固着できないものも縛ることで組むことができます。
ちょっとした秘密道具。
もっとも仲間内では教えあっています。

最初にこの紐を売っているいる店を探したときは大変でした。
浅草橋、蔵前、人形町のあたりをうろうろして訪ねまわり、やっと見つけました。
本当に紐だけ売っている店でした。
鉋やノミや砥石などの道具類、金物、ペーパーコードの紐などの仕入先もみな台東区です。
職人の町なのでしょうね。







こんな紐です。





縛ってノリが乾くのを待っています。





木端に無垢の薄板を貼ったところです。








地元の神社の秋祭りが近く、夜、子供のお囃子の練習があり、仕事帰りに迎えに行きました。


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