ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

トンカツ屋さんの椅子の制作 3

2014年03月12日 | 木工
椅子の笠木を作りました。




一番上に写っている部材から、一番下の部材を伐り出して作ります。
真ん中は切り取った端材です。
随分歩留まりの悪いものになりました。





上の様に仕上げてから下の様に面を取って仕上げます。
面を取らない、あるいは糸面の方が格好は良いかもしれませんが、
人の体に触れる物はなるべく丸くなだらかに仕上げるべきだと思っています。






これを椅子の本体に組み付けます。
組み立てはこれで終わりです。






右がカウンター用の椅子。足のせが付いています。
左が普通の高さの椅子。
座面から上は全く同じデザインです。





今回の椅子の座面は人工皮革にウレタンが入った、いわゆるクッションのものになります。

そういった座面は自分では作ったことがないので、外注になります。
いずれそういうものも自分でやってみたいと思ってはいます。



去年のちょうど今頃、前橋市内を歩いていたら、椅子張り屋を見つけました。




親の確定申告に行き、街中のタイ料理屋でお昼を食べようとして歩いていて見つけました。
その時は特に用はなかったのですが、お邪魔してお話をして、名刺を頂いてきました。
そして今回の仕事で座面をお願いすることができました。





窓際に工業用ミシンがあります。




ファブリックが巻いてあります。




道具がたくさんあります。




壁に表皮のカタログが一面に貼ってあります。




持ち込まれた椅子があります。



ジャズが大きな音で流れています。


工房っていう感じ。





さて、座面はお願いしておいて、生地の漆塗りを進めます。

冬場の漆塗りは温度、湿度の管理が大変なので最近はほとんどしなくなりました。
夏場ならほっといても乾くものが、冬には光熱費もかかります。
ご存じない方のために申し上げますと、漆は20度以上の温度と80%ほどの湿度で一日ほど置いて乾きます。
そのために、温度と湿度を維持するための「室(むろ)」に入れます。




まだ寒いので、部屋の温度を下げないように戸口に毛布を張りました。




13脚の椅子が何とか「室」に入りました。
どう入れるかかなり考えました。
最後の1脚がかなり苦労しました。
まるでパズル。


室には水を打ち、電気ヒーターを入れ、扉を閉めて扉の外にも布団をかけました。
側面には断熱材が入っています。

このまましばらく置き乾いてから、その後の工程に進みます。









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