ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

ミズナラのテーブル~鏡台の制作

2013年10月21日 | 木工
だんだん山が色づき始めています。
秋だねえ。








台風で増水した後の笹濁りした谷川がきれい。







寒い日にはストーブにも火を入れています。








さて、先日苦労して切ったミズナラの板は、削り上げたところ、染みが出てしまいました。






木が生えているうちに芯からだんだんと傷んできた染みだと思います。
しばらく眺めて考えましたが、この板は泣く泣くボツにすることにしました。
これでテーブルを作ったら、お客様はこの染みを毎日眺めて過ごすことになります。

木が悪いわけではない、私が悪いわけでもない、
でも今回はこの板でテーブルを作る訳にはいかない。
もし、この板のテーブルでもいいとおっしゃる方が現れれば喜んで作ります。
それなりにはいい板なんです。

こういうことがあると、木工屋なんて厄介な商売だなーと思う。
特に材については本当にままならない。
良い材がいつでも簡単に手に入るならどんなにいいかと思う。
でも木は天然の物なので、思うようにはいかない。
だから、やせ我慢をして材木を買い込む。
人様よりは材の在庫を持っていると思う。
それでも思うような材を手に入れて使うことはむずかしい。



そんなわけで、また木取りをしました。



この木は私が今まで買った丸太で最も高かったものです。
一本60万円。直径が1mもあった。
でも、また愚痴になるけれど、「授業料」になってしまった木。
まあいろいろあるさ。

長さは3.5m、幅が80㎝、厚さが7㎝の板。
体積を出して比重(0.7)をかけて重さを概算で出してみると140㎏もある!
信じられず何度も計算したが間違いはない、大した計算ではないから。
さすがに重い。
これを一人でひっくりかえし、動かし、切り分ける。
オレってタフガイ~と自己満足。
当然筋肉痛になりました。




こんどの板は及第点。


それにしても同じ樹種なのに明らかに重いし、木目も男性的です。








これはテーブルの足を組んでいるところ。

足が放射状に生えているタイプのものです。
幕板の端をを45度に切り、脚に接合してあります。
これを組み立てするには工夫がいります。
ごらんの様に接合面を真っ直ぐに押し付けるための治具を作ります(ゴルフクラブ状のもの)。
これを幕板にクランプでしっかり付け、
その治具をさらにクランプで締めることにより接合面を真っ直ぐに圧着することができます。





こんな仕口です。






並行して同時に鏡台も作っています。
久しぶりの和家具です。



部材ができての記念写真。





こんな変わった部品があります。





これは鏡の額を支える心棒です。旋盤で2本分一緒に挽きます。





出来た物はこれ。これを真ん中で切って出来上がり。





この鏡台は漆を塗ります。
寒くなると漆塗りは大変なので実は焦っています。
逆に言うと、寒くなる前に作る計画でした。ちょっと遅れてます。
その点では今年が暖かくてよかった。












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