前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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福井県議会閉会、原発関係予算などに反対討論。今日10時半~福井テレビ「座・タイムリーふくい」

2012年03月17日 | Weblog
     NHK・・・・・2月定例県議会 閉会

     2月定例県議会は原発の再稼働を巡る議論に進展がないまま、16日最終日を迎え、合わせて103の議案や意見書などの採決が行われました。
このうち、定期検査を終えた原発の再稼働の見通しが立たず、地域経済に深刻な影響を与えているとして、国に対して、今後のエネルギー政策の中で原発の役割を明確に位置づけるとともに、立地地域の経済・雇用対策を積極的に行うよう求める意見書の案は、採決の結果、全会一致で可決されました。このほか、福島第一原発事故を受け、原子力防災などに重点を置いた一般会計の総額で約4770億円の来年度当初予算案、東日本大震災で発生した大量のがれきの処理について、国に一刻も早く放射線の影響を検証した上で、自治体への説明を行うよう求めるとともに、県にも、がれきの受け入れについて、市や町への積極的な支援を求める決議案、新しい県の教育長に林雅則総務部長をあてる議案などが可決・同意されました。

    NHK・・・再稼動 十分議論されず

    開会から県議会を傍聴し続けた、環境保護団体「グリーンピース・ジャパン」の関係者は、16日、議会閉会後に記者会見を開きました。この中で、「グリーンピース・ジャパン」は「議員から再稼働をめぐる質問が相次いだが、西川知事は『国の問題だ』とか、『国の指示に従う』などという積極性のない、一辺倒な答弁に終始した」などと述べ「十分な議論はなされていなかった」と総括しました。このため、「グリーンピース・ジャパン」は、16日で閉じる予定だった福井市内の活動拠点を、今月末まで存続させ、今後も県内の再稼働の議論を注視していくとしています。・・・・・・・・・・・



     昨日は県議会最終日、議会運営委員会、発達障害・不登校などの議員連盟の結成、本会議での2度の反対討論、あたらしく選ばれた委員会の会議、議会改革検討会議、県政懇談会などがつづきました。本会議では福祉関係で、「障害者総合福祉法の制定」「ウイルス性肝炎患者の救済」求める意見書も全会一致で採択されました。
議員のみなさんも、理事者のみなさんも、事務局のみなさんもお疲れ様でした。

     田中議長も今度の議会はグリーンピースなどに注目された、と原発再稼働をめぐって「緊張」した議会だったとふりかえっていましたが、全国的に注目されるなかで議論できたことはよかったと思います。国の安全や規制の体制自体がゆらいでいるなかで拙速な判断はできません。

ひきつづきがんばります。


    福井テレビで今日の10時半から「座・タイムリーふくい」。原発問題を県議会各派代表が討論します。

 
         ★

    以下、わたしがおこなった予算案・議案・意見書審査結果にたいする反対討論(骨子)です。「いい内容の討論だった」と何人かの議員の方から声をかけられました。ありがとうございます。



日本共産党の佐藤正雄です。

まず、 第1号議案 平成24年度福井県一般会計予算案に反対の主な理由を述べます。

  第一に、原発推進予算の問題です。

福島事故をうけて県民世論も原発政策の見直しをもとめる声が高まっているにもかかわらず、それが予算に反映されていず、従来の広報や推進にさほど変わりがない問題です。



国際原子力人材育成センター運営事業1100万余は国際的人材育成と言うことで危険な日本の原発技術の輸出を後押しする事業であり、また原子力広報は福島事故の内容と教訓をひろく県民に知らせ、県民に原発の危険性をこそ啓蒙するものでなくてはなりません。知事は3月7日に開かれたアジア原子力協力フォーラムであいさつし、「福井県は原子力の人材育成、研究開発の拠点としてソフト、ハードともに充実しており、アジアの原子力の平和利用をすすめる国々の安全技術、人材育成に貢献していきたい」などと述べました。危ない原発を世界に拡散する拠点に福井県をしょうなどということはとんでもないことです。福島原発事故の原因究明と解明はこれからであり、事故の収束すらままならない時に原発推進に前のめりの姿を世界にアピールしたことは問題です。





第二に、不要不急の大型公共事業の問題です。

北陸新幹線建設事業 6億7000万余、北陸新幹線建設促進事業 1500万余は北陸本線の第三セクター化とセットの事業であり、県民理解は新幹線・在来線3セク化双方とも十分ではありません。

足羽川ダム建設事業6600万は激特事業が完成し、足羽川の改修が完了したにもかかわらず、さらに数十年の歳月と1000億とも1500億ともいわれる血税投入をおこなうものであり賛成できません。また、河内川ダム建設事業14億3000万は、いまだに小浜市民などにあらたな水道用水を押しつけるものであり、将来の人口減少と住民負担を考慮すれば、当然見直されるべき事業であります。



第三に、県民の暮らしに関する問題です。

介護保険財政安定化基金を半分取り崩し、その3分の1の4億5000万余を県に基金で積むのではなく、各市町で介護保険料の大幅値上げ計画が相次いでいる時に、県として応援して全額を保険料抑制のために市町に交付すべきであります。よって第26号議案 介護保険財政安定化基金条例の一部改正についても反対です。



また、福井県地方税滞納整理機構運営事業 490万余は、生活が成り立たなくなっている県民への徴税をつよめ、県民からも不安の声、批判が相次いでいます。

法にもとづかない組織で、違法すれすれの税金取り立て業務を県と市町がやることにはおおいに問題があります。このような機構は解散すべきであります。



つぎに、第30号議案 県立学校教職員定数条例の一部改正は、21名の定数削減であり反対です。発達障害・不登校など現場での課題が増えているなかで、行き届いた教育のために定数削減ではなく、増員こそ必要であります。



第35号議案 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律施行条例の一部改正については、福井県議会も反対意見書をだした民主党政府が進める「子ども子育て新システム」導入をにらんでの改定となるものであり反対です。



また、第39号議案 福井県営住宅条例の一部改正については、県営住宅の入居資格要件に旧態依然とした「同居親族があること」などを規定しているため、今後一人暮らしの高齢者も増えていく社会情勢や、解雇などにより社宅を追い出された労働者などの受け皿として機敏に活用できないことなどの改善を求めるものです。



つぎに請願、陳情についての委員長報告についてです。

請願第11号 公的年金の改悪に反対する意見書は年金生活者の生活を守るため、2.5%削減に反対するものであり、採択すべきです。

そもそも福井県内で暮らしていて、物価が下がり生活が楽になったなどと感じる方はいないでしょうし、日常の食料品や、ガソリン・灯油、また高齢者の医療・介護負担などみても下落などしておりません。これは高齢者の生活実態に合わない暴挙であり、しかも年金のかなりの部分が地域で消費されることを考えれば、地域経済への冷や水ともなります。

野田政権のもとで、さらに介護や医療費負担の増大、消費税の10パーセントへの増税計画という一体改悪がすすめられることは自民党政権時以上に、血も涙もない政治といわなくてはなりません。年金改悪の中止を求めるものです。



陳情第15号 障害福祉サービスの制度見直しに関する陳情は採択すべきです。

これは採択される陳情第13号 障害者総合福祉法の制定等に関する陳情と趣旨は同じくするものです。

わたしは先般、福井市内で開催された障害者団体のフォーラムに参加しました。

そこで私は障害者と関係者のみなさんの激しい憤りに出会いました。

ご承知のように、障害者ら71名の方々が障害者自立支援法は「生存権の侵害であり憲法に違反する」と違憲訴訟に立ち上がるなか、総選挙で「自立支援法廃止」を公約に掲げた民主党政権は、原告・弁護団と、同法が「障害者の人間としての尊厳を深く傷つけた」ことを「心から反省」と明記した「基本合意文書」を結び、自立支援法廃止と新法制の実施を約束し、違憲訴訟は和解し終結したのであります。

ところが、今回の法案では、原則無償化を見送り、対象とする難病患者の拡大も一部にとどめました。総合福祉部会がまとめた新たな法制の「骨格提言」が廃止を求めていた「障害程度区分」も盛り込んでいます。障害者・家族の総意を無視した姿勢、法治国家で、政府が裁判で合意した和解内容を反古にすることなど許されません。

今回、陳情者が求める、「実態にあった職員配置基準にしてほしい」「報酬の日払い制度は事業経営を圧迫しているので月払いにしてほしい」などは施設サービスを維持するための最小限の要求であります。採択を求めます。



また、陳情第17号 集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の制定に関する陳情、陳情第7号 新規大規模大型商業施設の出店規制に関する陳情は採択すべきです。



最後に、陳情第18号 停止中原発の運転再開を拙速に進めず、早急に「脱原発プログラム」を策定することを求める陳情は採択すべきです。

私も議会の質疑で指摘しましたが、枝野経産大臣はストレステストの結果が妥当だからと言って安全とは言えないと言い始め、班目安全委員会委員長も総合的安全評価は2次テストもふまえないと1次テストだけではダメだ、と述べています。こんないい加減な国の原子力行政、安全規制行政のもとで県民の命と安全に責任を負うべき福井県と福井県議会が再稼動の判断をできないことは当然ではありませんか。



 昨日も越前市議会が拙速な再稼働に反対する意見書をだすことを決めた、とのニュースがありましたが、まさに、賛否両論で県民も県内議会も真っ二つなわけです。

知事の答弁では原発立地自治体の意向を重視したいようですが、知事は県民全体に責任をおう立場であり、広がる原発再稼働への自治体や議会の懸念を軽視してはならないはずです。

また、朝日新聞の世論調査では、原発再開反対が57%、賛成は27%、政府の安全対策は信頼できないが80%。まさに原子力政策の国民合意は崩れ去りました。

もし、このような国民世論のなかで、政府とともに、福井県が再稼働を容認するようであれば、福井県は全国から批判の的になるでしょう。民主党政権の沈没とともに、福井県も沈没しかねません。一蓮托生になってはなりません。

安全の問題で原発再稼働を心配する県民は実は嶺北地域よりも嶺南地域の方が多いことも県内マスコミの調査で明らかです。

ここは、一般質問でも提案しましたように、拙速な結論を出さないこととして、1年程度かけて「福井の原発をどうするのか」の壮大な県民討論をおこなうことを改めて提案します。これは50年後、100年後の福井の将来を考えても大事なことだと思います。



また、福島原発事故をふまえた日本のエネルギー政策の今後を考えれば、原発が増えることはなく、新規建設も認められません。アメリカでもスリーマイル事故以来、新規建設はありませんでした。その過程では20基を超える新規建設申請が出されたのですが、発電コスト、建設コストがほかの発電形態と比べて著しく高くつくことが明らかとなり競争力を失ったからだそうであります。今後、2020年までに新たに運転開始できるのは数基程度にとどまっています。

 安全性の問題とともに、コスト面でも時代遅れになっている原発から撤退するプログラムを政府はもちろん、福井県としても早く策定し、先を見据えた経済政策、雇用政策を打ち出すべきです。



  以上、申し上げて反対討論といたします。