この日はおふくろの誕生祝い。
食事処はかつてリーガロイヤルホテルだったホテル・アゴーラリージェンシー堺の25階にある日本料理も「なにわ」だ。
大阪市住之江に住んでいるおふくろを乗せて大和川を渡って南下する。
大和川大橋を渡れば鉄砲町。
1年後に完成するイオンセンターが建設中だ。
ここはダイセル工場があった地。
随分前に大爆発があった。
爆発の衝撃で家の電灯が落下したことがあるおふくろの住処は5階建ての市営住宅。
今でも4階に住んでいる。
カーナビゲーションに位置をセットして走り出した目的地はホテル・アゴーラリージェンシー堺。
ここで着いたと案内する信号は堺駅西口。
信号待ちをしている若者たちがいた。
田舎では見られないコスチューム姿の若者ばかりの大行列に目がきょとんとした。
ぞろぞろと歩き出す若者の人数は数百人。
信号待ちで一旦区切られる。
どこへ行くのか若者たち。
向かう先は大浜北町信号右折れの地。
そこには大型バスが何台もあった。
乗り込んでどこやら向かう。
行先は判らないがバスに「Color Me rad」の表示があった。
先に書いておくが和服姿の「なにわ」の女給さんの話しによれば堺浜シーサイドステージに向かうらしい。
なんでも有名な人が来るというのだからすごい人気者。
そう思っていたが違っていた。
乗客を乗せてはひっきりなしに動くシャトルバス。
ほとんどが二十歳前後の女の子だ。
頭の上になにやら被り物をしている女の子もおれば、ピンクのコスチューム姿も多くいる。
なんだこりゃ、である。
大会内容のHPを拝見してもさっぱりわからん。
「rad」は「いかした」とかいう意味があるらしい。
多人数の「オソロコーデ」というような文字もあったが、年寄りはついていけない集まりだ。
さて、駐車場はと探してみるもここからは戻れない。
仕方なく大浜北町信号を左折れして南海本線を潜る。
さらに左折れしたら堀川にたくさんのコイノボリが泳いでいた。
昨今のイベントであろう。
むかしは田植えが女性の仕事だった。
唐突であるがコイノボリの風習の原点はここにあると『日本人の春夏秋冬―季節の行事と祝いごと―』に書いてあるようだ。
田植え前に邪気を祓う。
ヨモギやショウブの植物で屋根に揚げて覆う。
女性はそこで籠って身を清めていた。
江戸時代、ショウブは尚武・勝負と読み替えられて男の子の成長を願う祭りになった。
コイノボリは歌川広重の風景画に描かれている。
それには一匹のコイノボリだった。
今でこそ親鯉とともに大空を泳ぐコイノボリはだいたいが三匹。
次男ができたら四匹にする家も見られる。
昭和時代の童謡に「やねよーり たーかい こいのぼり・・」の唄があるように鯉は江戸時代よりも増えているのである。
そのことはともかく、さらに北進して左折れ、左折れすれば旧国道26号線に戻った。
結局は堺駅西口左折れして駐車場入り。
予約していた25階に登る。
登るといってもエレベータだ。
最階上の26階は結婚式場。
エレベータを出て下を見れば「Color Me rad」に向かう若者たちの姿が米粒だった。
日本料理「なにわ」は26日を予約していた。
数週間前であったが、都合がつかずに一日早めた25日。
26日なら展望が開ける窓側の席であった。
25日であれば望めないと伝えられていたが案内された席は窓側だった。
開放感に溢れる大浜の港はヨットやボードが係留されて並んでいる。
この日は霞のような状況。
おそらく黄砂の影響であろう。
快晴なら淡路島や六甲連山が見えるはずだが・・。
黄砂で見えない明石海峡大橋もまったく見えないが25階から望む浜景色にうっとりする。
メニューは席についてからと考えていた。
この日はおふくろの誕生祝。
翌日には89歳になる。
見栄をはってかーさんとおふくろは3240円の姫箱会席にした。
姫たちは姫箱会席でいいのである。
3月末までならステーキがあったが、今月は同じ肉でもすき焼きになる。
牛肉を希望しない私は一段下げて2700円の瓢(ひさご)弁当にした。
はじめに運ばれたのは上段、中断、下段の箱や横箱に盛った姫箱会席だ。
焼き物の牛すき焼きは箱会席を食べ終わったころを見計らって運ばれる。
上段はよもぎ豆腐に海老塩湯。
中断は芋蛸に南瓜、信田巻わらびだ。
下段は旬菜盛りに小鯛寿司、いかなご釘煮、細巻き玉子となる。
横箱は鮪・烏賊のあしらい一式造り。
中トロなのか大トロなのか判断はつかないがトロに違いない鮪造りはトロトロで脂がのっている。
とても美味いという姫二人。
しばらくして瓢(ひさご)弁当が運ばれた。
椀盛りは三段。
蓋を開けて膳横に並べてみた。
造りは姫箱会席と同じトロ鮪と烏賊。
煮物椀もほぼ同じタケノコ、菜の花、南瓜、信田巻わらびだ。
下段に盛った椀も同じようによもぎ豆腐、海老塩湯、焼き鰆、細巻き玉子、いかなご釘煮、穴子巻に蛍烏賊もある。
姫箱会席にはなかった春野菜の天ぷら盛りもある。
これはお得である。
濃い目の味噌汁にご飯椀は筍ちらし寿司。
菜の花や筍にイクラまで盛っている。
瓢弁当は姫箱会席と違って後ほど運ばれる抹茶プリンのデザートもあった。
とにかく品数が多い瓢弁当。
一品、一品は少品であるがどれを食べても美味しくいただける。
日本料理は出汁が決めて。
手のこんだ料理に食べる都度、口が唸る。
箱会席を食べ終わるころに運ばれた替鉢の筍饅頭。
板わかめが入っているようだが・・。
次は牛すき焼きだ。
筍やわらびに大きなシメジも入っている。
ぐつぐつ煮込めばできあがり。
かーさんが少し分けてくれた牛肉の美味いこと。
脂がのった牛肉はとても柔らかい。
醤油っぽさも感じないすき焼きはおそらく出汁で仕立てた割下なのだろう。
美味すぎるすき焼きに肉の甘さが口の中で広がった。
姫箱会席にも筍ご飯があるが、瓢弁当の筍ご飯とまったく違う。
シンプルな炊き方なのだ。
ご飯は柔らかい。
おかいさんのようだとおふくろは云った。
味噌汁は同じだが姫箱会席の筍ご飯には香物がついている。
水物のデザートも同じ抹茶プリンだった。
姫箱会席と瓢弁当の差額は540円。
それぞれの料理を楽しませてくれた日本料理「なにわ」。
2年前の誕生祝いの店はフレール・ド・シャンソニエレストラン堺店だった。
料理は3500円のプティコース。
洋風料理である。
味覚は和風、値段も「なにわ」に軍配を揚げたい。
なによりも展望がいちばんなのだ。
支払いはクレジットカード。
サービス料金が918円で合計税込10,098円だった。
ホテル地下の駐車場。
地下2階だと思って車を探してみるが見つからない。
あちこち探すが見当たらないのだ。
もしかとすればと思って地下1階に・・あった。
なんせ同じような感じだったのだ。
停めた時間は11時20分。
食事を満喫した2時間後。
出口で駐車料金を清算してもらうが「なにわ」で食事すれば3時間が無料になる。
警備員に駐車カードを手渡してゲートを開けてもらう。
領収書はといえば「したことがないので・・」という警備員。
ボタンを押したら領収書が発行された。
初めて見たという警備員。
「こんなことってあるんだ」ってさ。
出庫した時間は14時ジャスト。
もちろん無料なのでマイナス1800円の印字があった。
(H27. 4.25 SB932SH撮影)
食事処はかつてリーガロイヤルホテルだったホテル・アゴーラリージェンシー堺の25階にある日本料理も「なにわ」だ。
大阪市住之江に住んでいるおふくろを乗せて大和川を渡って南下する。
大和川大橋を渡れば鉄砲町。
1年後に完成するイオンセンターが建設中だ。
ここはダイセル工場があった地。
随分前に大爆発があった。
爆発の衝撃で家の電灯が落下したことがあるおふくろの住処は5階建ての市営住宅。
今でも4階に住んでいる。
カーナビゲーションに位置をセットして走り出した目的地はホテル・アゴーラリージェンシー堺。
ここで着いたと案内する信号は堺駅西口。
信号待ちをしている若者たちがいた。
田舎では見られないコスチューム姿の若者ばかりの大行列に目がきょとんとした。
ぞろぞろと歩き出す若者の人数は数百人。
信号待ちで一旦区切られる。
どこへ行くのか若者たち。
向かう先は大浜北町信号右折れの地。
そこには大型バスが何台もあった。
乗り込んでどこやら向かう。
行先は判らないがバスに「Color Me rad」の表示があった。
先に書いておくが和服姿の「なにわ」の女給さんの話しによれば堺浜シーサイドステージに向かうらしい。
なんでも有名な人が来るというのだからすごい人気者。
そう思っていたが違っていた。
乗客を乗せてはひっきりなしに動くシャトルバス。
ほとんどが二十歳前後の女の子だ。
頭の上になにやら被り物をしている女の子もおれば、ピンクのコスチューム姿も多くいる。
なんだこりゃ、である。
大会内容のHPを拝見してもさっぱりわからん。
「rad」は「いかした」とかいう意味があるらしい。
多人数の「オソロコーデ」というような文字もあったが、年寄りはついていけない集まりだ。
さて、駐車場はと探してみるもここからは戻れない。
仕方なく大浜北町信号を左折れして南海本線を潜る。
さらに左折れしたら堀川にたくさんのコイノボリが泳いでいた。
昨今のイベントであろう。
むかしは田植えが女性の仕事だった。
唐突であるがコイノボリの風習の原点はここにあると『日本人の春夏秋冬―季節の行事と祝いごと―』に書いてあるようだ。
田植え前に邪気を祓う。
ヨモギやショウブの植物で屋根に揚げて覆う。
女性はそこで籠って身を清めていた。
江戸時代、ショウブは尚武・勝負と読み替えられて男の子の成長を願う祭りになった。
コイノボリは歌川広重の風景画に描かれている。
それには一匹のコイノボリだった。
今でこそ親鯉とともに大空を泳ぐコイノボリはだいたいが三匹。
次男ができたら四匹にする家も見られる。
昭和時代の童謡に「やねよーり たーかい こいのぼり・・」の唄があるように鯉は江戸時代よりも増えているのである。
そのことはともかく、さらに北進して左折れ、左折れすれば旧国道26号線に戻った。
結局は堺駅西口左折れして駐車場入り。
予約していた25階に登る。
登るといってもエレベータだ。
最階上の26階は結婚式場。
エレベータを出て下を見れば「Color Me rad」に向かう若者たちの姿が米粒だった。
日本料理「なにわ」は26日を予約していた。
数週間前であったが、都合がつかずに一日早めた25日。
26日なら展望が開ける窓側の席であった。
25日であれば望めないと伝えられていたが案内された席は窓側だった。
開放感に溢れる大浜の港はヨットやボードが係留されて並んでいる。
この日は霞のような状況。
おそらく黄砂の影響であろう。
快晴なら淡路島や六甲連山が見えるはずだが・・。
黄砂で見えない明石海峡大橋もまったく見えないが25階から望む浜景色にうっとりする。
メニューは席についてからと考えていた。
この日はおふくろの誕生祝。
翌日には89歳になる。
見栄をはってかーさんとおふくろは3240円の姫箱会席にした。
姫たちは姫箱会席でいいのである。
3月末までならステーキがあったが、今月は同じ肉でもすき焼きになる。
牛肉を希望しない私は一段下げて2700円の瓢(ひさご)弁当にした。
はじめに運ばれたのは上段、中断、下段の箱や横箱に盛った姫箱会席だ。
焼き物の牛すき焼きは箱会席を食べ終わったころを見計らって運ばれる。
上段はよもぎ豆腐に海老塩湯。
中断は芋蛸に南瓜、信田巻わらびだ。
下段は旬菜盛りに小鯛寿司、いかなご釘煮、細巻き玉子となる。
横箱は鮪・烏賊のあしらい一式造り。
中トロなのか大トロなのか判断はつかないがトロに違いない鮪造りはトロトロで脂がのっている。
とても美味いという姫二人。
しばらくして瓢(ひさご)弁当が運ばれた。
椀盛りは三段。
蓋を開けて膳横に並べてみた。
造りは姫箱会席と同じトロ鮪と烏賊。
煮物椀もほぼ同じタケノコ、菜の花、南瓜、信田巻わらびだ。
下段に盛った椀も同じようによもぎ豆腐、海老塩湯、焼き鰆、細巻き玉子、いかなご釘煮、穴子巻に蛍烏賊もある。
姫箱会席にはなかった春野菜の天ぷら盛りもある。
これはお得である。
濃い目の味噌汁にご飯椀は筍ちらし寿司。
菜の花や筍にイクラまで盛っている。
瓢弁当は姫箱会席と違って後ほど運ばれる抹茶プリンのデザートもあった。
とにかく品数が多い瓢弁当。
一品、一品は少品であるがどれを食べても美味しくいただける。
日本料理は出汁が決めて。
手のこんだ料理に食べる都度、口が唸る。
箱会席を食べ終わるころに運ばれた替鉢の筍饅頭。
板わかめが入っているようだが・・。
次は牛すき焼きだ。
筍やわらびに大きなシメジも入っている。
ぐつぐつ煮込めばできあがり。
かーさんが少し分けてくれた牛肉の美味いこと。
脂がのった牛肉はとても柔らかい。
醤油っぽさも感じないすき焼きはおそらく出汁で仕立てた割下なのだろう。
美味すぎるすき焼きに肉の甘さが口の中で広がった。
姫箱会席にも筍ご飯があるが、瓢弁当の筍ご飯とまったく違う。
シンプルな炊き方なのだ。
ご飯は柔らかい。
おかいさんのようだとおふくろは云った。
味噌汁は同じだが姫箱会席の筍ご飯には香物がついている。
水物のデザートも同じ抹茶プリンだった。
姫箱会席と瓢弁当の差額は540円。
それぞれの料理を楽しませてくれた日本料理「なにわ」。
2年前の誕生祝いの店はフレール・ド・シャンソニエレストラン堺店だった。
料理は3500円のプティコース。
洋風料理である。
味覚は和風、値段も「なにわ」に軍配を揚げたい。
なによりも展望がいちばんなのだ。
支払いはクレジットカード。
サービス料金が918円で合計税込10,098円だった。
ホテル地下の駐車場。
地下2階だと思って車を探してみるが見つからない。
あちこち探すが見当たらないのだ。
もしかとすればと思って地下1階に・・あった。
なんせ同じような感じだったのだ。
停めた時間は11時20分。
食事を満喫した2時間後。
出口で駐車料金を清算してもらうが「なにわ」で食事すれば3時間が無料になる。
警備員に駐車カードを手渡してゲートを開けてもらう。
領収書はといえば「したことがないので・・」という警備員。
ボタンを押したら領収書が発行された。
初めて見たという警備員。
「こんなことってあるんだ」ってさ。
出庫した時間は14時ジャスト。
もちろん無料なのでマイナス1800円の印字があった。
(H27. 4.25 SB932SH撮影)