マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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伐採される前の記録に野依白山神社の大木杉を撮る

2018年01月10日 09時15分11秒 | 宇陀市(旧大宇陀町)へ
大宇陀道の駅から北に数km。

車を走らせていたら否が応でも気がつく宇陀市大宇陀・野依の大杉。

樹齢は何年になるのか相当な古木。

見かけはまったく気がつかないが、樹木幹が空洞になっているという。

この年、雷に打たれた大杉の枝がぶっ飛んだ。

その一部は境内下にある民家の屋根を破壊した。

損壊状態の屋根は神社費用で賄って修復したものの、危険性があると決断されて伐採することになった。

そのことを聞いたのはこの日。

上巳の節句のヒシモチ御供に来られる大頭、小頭を待っていたときだ。

地区に住む男性は私に声をかけた。

男性は4年前に大頭を勤めた人だ。

もっと前の平成16年の5月5日の節句オンダのときは女装姿のショトメを勤めた男性の表情が実に可愛かったことを思い出す。

村の会合で伐採することが決まったので、記録に撮っておいてほしいと願われた。

ご希望にそえるような写真はどのように撮ったらよいのか。

ヒシモチ御供をされる合間に何枚かを撮っていた。

走る道路から見れば、若干位置は違うが、真正面から一枚。

威容を誇る大杉の姿を残す。

男性に願われた急な頼み事。



いつ倒れるやもしれない大杉周りには村人が近寄らないように緊急措置的な柵をしていた。

赤いポールを立てて危険を知らせている状況も記録する。

その柵内に動物の死骸横たわっていた。

白猫の亡骸である。

何時、亡くなったのか、どうして亡くなったのか、さっぱりわからないが、亡骸は成仏させてあげようと大頭、小頭が動き出した。

丁重に運んだ亡骸は西の山中に穴を掘って埋めた。

西の方角に埋めるのは、西方浄土の意味がある。

朝日の昇りは東。その東に埋めることはならんと教わっていたからそうしたという。合掌。

その日から20日後の3月23日。

川上村からの帰り道に選んだ吉野町。

所用を済ませて大宇陀へ。

桃の節句に涅槃会が終わってから伐採すると聞いていた。

大きなクレーン車で吊り上げる大杉。

そのクレーン車が通る道は崩れないように養生すると話していた。

すっかり消えてなくなった大杉は太い幹部分を根ごと残すのみ。



大杉の伐採痕をよく見れば、内部は大きな空洞になっていた。

(H29. 3. 3 EOS40D撮影)
(H29. 3.23 EOS40D撮影)