マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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転換する小綱町のノージンサン

2016年04月15日 08時55分07秒 | 橿原市へ
早い年であれば朝7時半かもしれないと聞いたのは平成19年のときだった。

訪れたときにはすでに「ジャ」はトグロのように2代目ヨノミの木に巻きつけられていた。

かつて「座」当屋・神主・総代らで行われていたノージンサンは水利組合に移ったと聞いていた。

昭和55年10月に記された『座当屋年中行事帳』によればノージンサンは野神祭の字が充てられているそうだ。

ノージンサンが行われる場は野神塚(のうじんづか)であることからそう呼ばれたのであろう。

それから8年間も経過した。

仕事や所要が重なりようやく再訪することができた小綱町。

ヨノミの木は垣根の木に遮られて存在も判らなくなっていた。

前年に掛けられたと思える「ジャ」が残っていた。

しかしだ。待てども、待てどもどなたも来られない。

もしかとすれば時間帯が替わったかもしれないと思って野神塚区域に建つ民家を訪ねた。

8年前にも尋ねたN家である。

婦人が出てこられて「今年から自治会運営に移ったようだと聞いている」という。

行事の前にはヨノミの木の下を清掃するなどしていたが今年は見なかったという。

野神塚は公有地。

史跡化する予定で境界指標が立てられたのであった。

状況に変化があったノージンサンはこれが最後の姿になるかもしれないと考えられたので記録用の写真を撮っておいた。

そうして訪れた元総代家。

「すももの荒神さん」行事のときにもお世話になったNさんを訪ねた。



元総代は6年前に辞められたが今でも地域の水利組合長をされている。

小綱町のノージンサンは民俗文化財に指定されていることもあり史跡化する計画があるという。

ヨノミの木の周りを整備し町の文化財として保存することになったと話す。

平成23年5月・小綱町文化財保存会を立ちあげて正蓮寺大日堂や入鹿神社などを整備してきた。

保存会は「いにしえの先祖から引き継いだ貴重な町の文化財を後世に正しく伝承する目的」にあるという。

今年の11月には史跡・整備化が完成する予定の野神塚もその一環にある。

ただ、「ジャ」を巻き付ける行事は水利組合がしていたが、今のところ継承する考えはないようだ。

もしかとすれば神社の注連縄を掛けるときに同じような形でする可能性もあると云われる。

保存会顧問をされているNさんから野神塚の現況を記録してほしいと願われて再び訪れた。



葉が生い茂っている状況ではあるが、なんとか昨年に巻き付けられた「ジャ」を撮っておいた。

(H27. 6. 4 EOS40D撮影)


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