マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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法貴寺南垣内コンピラサンの御湯

2015年07月11日 07時47分31秒 | 田原本町へ
田原本町法貴寺地区では7月から11月にかけて5カ所で御湯神事が行われている。

この日は南垣内のコンピラサンのマツリ。

コンピラサンこと金毘羅社に御供を供えて湯釜を設える。

里の巫女が到着するまでに湯を沸かしておく。

羽根付きに湯釜は三本脚。

古くもなく一般的な釜であった。

当番の人が雑木に火を点けて湯を沸かす。

南垣内は26戸。

3軒が廻りの当番だ。

南垣内の年中行事はコンピラサンを入れて年に3回。

1月10日はお正月と云ってオカガミモチを供える。

7月10日は「ヤマモリ」。

17、18年前までがゴザを敷いて食べていたそうだ。

金毘羅社の鎮座地は集落を入った処にある。

村を南北に流れる水路の一部は道路拡張のために暗渠にされた。

拡張されれば車は通りやすくなる。

マツリの場に何台かの車が通り抜けて走っていく。

73歳の婦人が話すかつての村道。

リヤカーがまだなかった時代である。

幅はそれほどでもない道を大八車が通った。

野菜を運ぶのではなく人だった。

病気といえば大八車に人を乗せて病院まで運んだと云っていた時代は随分昔のようだ。

金毘羅社のご神体は大石。丸彫りした内部にレリーフ文字の「金」が見られる。

前部に屋根付きのヤシロ。

後年に扉を付けたという。

御湯作法をされる里の巫女は池坐神社宮司の孫さん。

小学校時代から初めて今尚活動する高校二年生である。



幣で湯釜を祓ってから右手に鈴をもってシャンシャンシャンと鳴らす。

左に回りながらシャンシャンシャン。

一礼されて今度は右回りにシャンシャンシャン。

再び左回りにシャンシャンシャン。

酒、塩、お米を入れてから2本の笹を水平に構えて拝礼する。

その作法は北、東、南、西にむかってそれぞれ。

四方の神への拝礼だ。

そして笹を湯に漬けて前方に飛ばす。

何度か作法をして次は大きく両手を振り上げて斜め方向に湯を飛ばす。

後方にも湯を飛ばす作法は池坐神社独特の作法である。

鈴を手にもつ神楽の舞をされて、村人への鈴祓いで終える素朴な村の行事であった。



マツリを終えれば里の巫女が立っていた藁束や湯祓いした笹を天保九戊戌年(1838)十月に建之された金毘羅大権現の燈籠に括りつけた。

この作法は南垣内だけでもなく前田・西南・西口・北・観音寺垣内の人たちによって行われる川西講のゴウシンサンも同じである。

なぜにこのような形をされるのか村の人も知らないという。

マツリを見届けて辻に出た。



その角に西・東市場が管理する地蔵さんを祀った祠がある。

8月の23日か24日に行われる地蔵さんは夕方。

「ヤマモリ」をすると話していた。

機会があれば訪れたいものだ。

(H26.11.10 EOS40D撮影)
(H26.11.10 SB932SH撮影)


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