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モバライダー mobarider

影の中でも発光する木星の衛星の謎

2014年06月27日 | 宇宙 space
木星の周りを回る衛星が、
木星の影に入り太陽光に直接照らされていない“食”の状態なのに、
ごくわずかに輝いていることが分かりました。
食にもかかわらず、かすかな発行が観測された
木星の衛星ガニメデ(上)とカリスト(下)の赤外線画像


衛星が発光するしくみ

今回観測したのは、ガリレオが木星の周りに見つけた4つの衛星。
“ガリレオ衛星”と呼ばれ、通常は5等星か6等星ほどの輝きがあります。

木星では、月が地球の影に隠れる月食のように、
“ガリレオ衛星”も木星の影に隠れて暗くなる“衛星食”が、
毎週1回程度と頻繁に起きています。

研究チームは“ガリレオ衛星”のうち、
火山活動があるイオを除く、
エウロパ、ガニメデ、カリストの“衛星食”中の光を観測。

その結果、木星に近いエウロパは食の時に真っ暗だったのですが、
ガニメデとカリストは食で木星の影に入っている時にも、
通常の100万分の1程度のかすかな光を放っていたんですねー


木星大気の“もや”

かすかに光る詳しい原因は解明されていないのですが、
研究チームでは、木星の上層大気に存在する“もや”で拡散された太陽光が、
“ガリレオ衛星”を間接的に照らしていると考えています。
エウロパは木星からの距離が近すぎるので、散乱した光が届かないそうです。
木星の上層大気に存在する“もや”によって散乱された太陽光が、
影の中にある“ガリレオ”衛星をてらしている。(イメージ図)

これは、月が地球の影に完全に隠れてしまう皆既月食の時にも、
月が赤く光るのとやや似た現象といえます。

今後、この現象を継続的に調べれば、
木星の大気にある“もや”の性質に迫ることができます。

木星の大気のしま模様は、この“もや”からできていると考えられているので、
これまで観測が難しかった“もや”に迫れる意義は大きいんですねー

さらに、近年数多く発見されている太陽系外惑星の大気についても、
あらたな知見が得られるかもしれません。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 木星探査計画 ヨーロッパ宇宙機関 “JUICE”


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