打ち上げから2か月後に運用が終了したX線天文衛星“ひとみ”ですが、
JAXAによると、2020年の打ち上げを目標に設計・製造を進めることが決まったそうです。
基本は“ひとみ”の再製作
7月14日に開催された宇宙開発利用部会でJAXAが新しい計画を発表しました。
それは、2020年を打ち上げ目標として、
X線天文衛星“ひとみ”の後継機を設計・製造する計画。
残念ながら今年の2月に打ち上げられた“ひとみ”は、
姿勢異常により太陽電池パドルが分離して通信が途絶し、
4月に運用が終了となってしまいます。
後継機は“ひとみ”と同じく、
軟X線分光検出器(SXS)を中心とする設計になり、
早期かつ確実な設計・製造を目的とするので、
再製作を基本とする方針になります。
一方で“ひとみ”の事故を踏まえ、安全を重視した設計の見直しや、
人的な運用体制の見直しも、徹底して行われることになります。
活躍が期待された“ひとみ”
日本は1979年からこれまでにX線天文衛星を6機打ち上げていて、
宇宙の謎の一端を解明する多くの科学的な成果を挙げるなど、
世界のトップランナーとしてX線天文学の分野を牽引してきました。
そして、日本がリードする国際プロジェクトとして、
今年の2月に打ち上げられたのが“ひとみ”でした。
“ひとみ”には、世界唯一の大型X線天文衛星としての活躍が、
期待されていたんですねー
これまでよりも広帯域かつ10倍以上の感度を持つ検出器を搭載していて、
暗黒物質の謎や、銀河とブラックホールが共に進化する謎に挑む予定でした。
でも、それは叶わずに終わることになりました。
X線天文学
先代のX線天文衛星“すざく”が科学観測を終了したのが2015年の8月。
2016年7月現在で運用中のチャンドラ(NASA)やXMMニュートン(ヨーロッパ宇宙機関)は、
すでに稼働年数が15年以上と長く、検出器の劣化も見られています。
さらに次の大型X線天文衛星は、
ヨーロッパが主導で計画している“Athena(2028年打ち上げ目標))”までありません。
2010年代後半には多波長による大型観測が始まります。
この大事な時期に、
X線天文学の最も重要な部分が空白期になってしまうことが懸念されています。
実は“すざく”の計画名は“ASTRO-EII”で、
この名は“ASTRO-E”の代替機を意味しています。
それは、2000年2月10日に発生したM-Vロケット4号機の打ち上げ失敗が原因で、
四代目の“ASTRO-E”が失われたからでした。
“ひとみ”が失われる前のこと、
打ち上げから約1週間後に行った観測では、
軟X線分光検出器(SXS)が要求値を上回る性能を発揮し、
銀河団のガスに関する史上初の成果を挙げています。
なので、安全を重視した“ひとみ”の再製作衛星には、
“すざく”同様に代替機として活躍してほしいですね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 残念… X線天文衛星“ひとみ”の復旧は断念。
X線天文衛星“ひとみ(ASTRO-H)” |
JAXAによると、2020年の打ち上げを目標に設計・製造を進めることが決まったそうです。
基本は“ひとみ”の再製作
7月14日に開催された宇宙開発利用部会でJAXAが新しい計画を発表しました。
それは、2020年を打ち上げ目標として、
X線天文衛星“ひとみ”の後継機を設計・製造する計画。
残念ながら今年の2月に打ち上げられた“ひとみ”は、
姿勢異常により太陽電池パドルが分離して通信が途絶し、
4月に運用が終了となってしまいます。
後継機は“ひとみ”と同じく、
軟X線分光検出器(SXS)を中心とする設計になり、
早期かつ確実な設計・製造を目的とするので、
再製作を基本とする方針になります。
一方で“ひとみ”の事故を踏まえ、安全を重視した設計の見直しや、
人的な運用体制の見直しも、徹底して行われることになります。
活躍が期待された“ひとみ”
日本は1979年からこれまでにX線天文衛星を6機打ち上げていて、
宇宙の謎の一端を解明する多くの科学的な成果を挙げるなど、
世界のトップランナーとしてX線天文学の分野を牽引してきました。
そして、日本がリードする国際プロジェクトとして、
今年の2月に打ち上げられたのが“ひとみ”でした。
“ひとみ”には、世界唯一の大型X線天文衛星としての活躍が、
期待されていたんですねー
これまでよりも広帯域かつ10倍以上の感度を持つ検出器を搭載していて、
暗黒物質の謎や、銀河とブラックホールが共に進化する謎に挑む予定でした。
でも、それは叶わずに終わることになりました。
X線天文学
先代のX線天文衛星“すざく”が科学観測を終了したのが2015年の8月。
2016年7月現在で運用中のチャンドラ(NASA)やXMMニュートン(ヨーロッパ宇宙機関)は、
すでに稼働年数が15年以上と長く、検出器の劣化も見られています。
さらに次の大型X線天文衛星は、
ヨーロッパが主導で計画している“Athena(2028年打ち上げ目標))”までありません。
2010年代後半には多波長による大型観測が始まります。
この大事な時期に、
X線天文学の最も重要な部分が空白期になってしまうことが懸念されています。
世界のX船天文学の将来計画(2016年7月現在)。 |
実は“すざく”の計画名は“ASTRO-EII”で、
この名は“ASTRO-E”の代替機を意味しています。
それは、2000年2月10日に発生したM-Vロケット4号機の打ち上げ失敗が原因で、
四代目の“ASTRO-E”が失われたからでした。
“ひとみ”が失われる前のこと、
打ち上げから約1週間後に行った観測では、
軟X線分光検出器(SXS)が要求値を上回る性能を発揮し、
銀河団のガスに関する史上初の成果を挙げています。
なので、安全を重視した“ひとみ”の再製作衛星には、
“すざく”同様に代替機として活躍してほしいですね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 残念… X線天文衛星“ひとみ”の復旧は断念。
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