宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

原始惑星系円盤に取り込まれたガスの化学変化

2014年02月18日 | 宇宙 space
およそ460光年彼方の原始星で、周囲のガスが原始惑星系円盤に取り込まれる際に、組成が大きく変化するようすがとらえられました。

黒い筋模様原始星“L1527”に引き込まれるガスの動きが、回転優勢に転じる“遠心力バリア”の内側が、“原始惑星系円盤”の構造となる。遠心力でガスが暖められることで、放出された一酸化硫黄分子のリング状分布(紫色)が、電波観測で明らかになった。

星は、宇宙に漂うガス微粒子が集まることで生まれます。

生まれたばかりの星(原始星)の周りに、さらに降り積もったガスや微粒子は、星を取り巻く円盤“原始惑星系円盤”となり、この中でやがて惑星が生まれることになります。

おうし座方向にある原始星“L1527”を取り巻くガスの動きや温度を、アルマ望遠鏡で調べてみると、
星の周囲のガスが、円盤に取り込まれていく過程で局所的に加熱され、大きな化学変化を引き起こしていることが分かりました。
観測されたガス分子の動き。

“原始惑星系円盤”の形成において、
これほど化学組成が変わることが発見されたのは今回が初めて…
これは、アルマ望遠鏡の高い解像度と感度がもたらした成果なんですねー

また、この化学変化のようすから、円盤が成長しつつある外縁部をくっきりととらえることもできました。

円盤外縁部でのガスの化学変化が普遍的なもの、
つまり、私たちの太陽系が生まれたころのプロセスにも当てはめられるものなのか、
それとも、この天体固有のものなのか…

まぁー 今後の観測次第ということです。


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