宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

海に覆われた陸地が無い惑星にも生命は誕生するのかも

2018年09月09日 | 地球外生命っているの? 第2の地球は?
惑星が深い海に覆われていると生命が生まれそうな気がしますよね。

でも最近の研究では、海と陸の比が地球に近い必要性が指摘されているんですねー
深い海で覆われた惑星だと、気候が安定せず、生命の進化に適さないからです。

この見方に反するのが今回の研究です。
系外惑星の進化のシミュレーション研究から、深い海に覆われた惑星でも生命が育まれる可能性をみつけたようです。


安定した気候が生命を育む条件

天体望遠鏡の能力向上に伴い、太陽系の外にも惑星が続々と発見されています。

さらに、どうやって生命が他の惑星上で生き延びられるかを探る新たな研究も始まっています。

生命の進化には長い年月が必要なんですが、その舞台となる惑星上の明るさや温度は主星の年齢に伴って変化してしまいます。

なので、惑星に生命が育まれる条件として、水の存在に加えて、ある程度の期間気候を安定させる仕組みがあるかどうかがポイントになるんですねー

地球を例に取ると、温室効果ガスをミネラルに還元して冷えることや、火山が熱を放出して暖かくなるといったことが気候を安定させる仕組みになります。


海に覆われた陸地が無い惑星では

いっぽうで深い海に覆われた惑星では、こうした地球のような仕組みは働きません…
では、他に生命に適した環境が維持される仕組みは無いのでしょうか?

その答えを探る研究を進めているのが、ペンシルバニア州立大学とシカゴ大学の研究チームです。

この研究では、ランダムに形成された数千個の惑星の進化シミュレーションを行い、数十億年にわたる気候の変化をたどっています。

すると、意外なことに、多くの惑星で十億年以上にわたって気候の安定が見られたんですねー

それらの幸運な惑星は、主星から程よい距離にあり、程よい量の炭素が存在し、地殻から大量のミネラル分や元素が海に溶け込むことが無いので、大気中の炭素が吸収されずに済みます。

最初から十分に水があり、炭素は大気と海の間でのみ循環。
適度な濃度なら、これで十分安定した気候を保てるようです。

原則として、惑星に与えられる時間は、その形成初期において二酸化炭素がどのように海洋、大気、岩石に配分されていたかに依存します。

地球のような地殻を介した循環システムなしでも、生命に適した環境を維持する仕組みがあるんですね。


太陽よりも暗い星にも可能性はある

今回のシミュレーションでは、主星は太陽のような星という設定で行われています。

でも、太陽よりも暗く軽い“赤色矮星”にとっても希望を持てる結果なんですねー

それは、“赤色矮星”は太陽に比べてはるかにゆっくりと明るくなっていく分、生命が芽吹くのに必要な時間が更にあると考えられているからです。

理論的には、“赤色矮星”を巡る惑星に必要となるのは、安定した主星からの光だけだそうですよ。
○○○
赤色矮星とその周りを回る惑星(イメージ図)。
赤色矮星は、太陽よりも質量が小さく低温なので、
太陽のように黄色い光ではなく赤っぽい色の光を放っている。


こちらの記事もどうぞ
  太陽よりも小さく低温な恒星を回る惑星にも生命は存在する?
    


最新の画像もっと見る

コメントを投稿