牛が一年で仕事をするのは、一度(田植え時)しかなかった。
しかも牛は大飯食い。
エサをあたえるのは農家の大仕事、
それでも牛は大切にされていた。
その極めが七夕の水浴だった。
茂平では”とんま”の浜で牛を洗っていた。
牛が何頭も波打ち際で、体全体をゴシゴシ洗うさまは子供がみていても興味深い風景だった。
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井戸掃除は、井戸が深くなく、はんぶん遊びだった。
朝からバケツで井戸水を汲みだし井戸を空にしていた。
空になる頃、父が井戸の底に降りて、底に溜まった枯葉などを取り除いておしまい。
すぐ終わり、すぐに地下水が井戸に溜まっていった。
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井戸掃除 (母の話し)
何処のうちでもボニの前、七夕の頃。・・昔ぁ、旧じゃが。
井戸掃除をしょうた。
毎年じゃ。
井戸の水を全部出して、底をこさぎょうた。
ウチのは浅いのでワケはないが、(実家の)賀山にゃぁきょうていくれいじゃった。
縄をつとうて下まで降りていきょうた。
上から見ようてきょうとかった。しまいにゃおじいさんも、「もうようおりん」ゆうてようた。
底にたまった泥を取りょうた。
共同井戸のところにゃ、共同で掃除をしょうた。
2001/1/1
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「福山市引野町誌」 引野町誌編纂委員会 ぎょうせい 昭和61年発行
この日七度水浴びをすれば病気にかからないといわれ、多くの者が水(海)浴をし、
牛や馬も洗ってやる。
特に海で牛を洗えば元気になるといわれていた。
またこの日、
井戸替えをすれば、一年中きれいな水がわき出るとの言い伝えがあり、
井戸さらいをする
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「美星町史」 美星町 昭和51年発行
ナヌカビ
七月七日をナヌカビといい、一般に井戸かえやノミカワのカワカエをし、水神様を祀る。
またナヌカビには墓掃除にも行く。
この日、牛を飼っている家では牛を川へつれていき、川入れをして「一年中の風呂入りじゃ」と洗ってやる。
一般にナヌカビから、僧侶が各檀家をまわってタナギョウをする。
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「金光町史・民俗編」 金光町 平成10年発行
七日をナノカビといい、
子どもは七回水浴すれば丈夫に育つという。
女性は髪を洗うと髪がきれいになるとか、黒い髪になるという。
また洗濯をして七竿干すのだともいう。
この日は必ず井戸替えをする日とされている。
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「岡山県史・民俗編Ⅱ」 岡山県 昭和58年発行
七夕
七日に井戸替えをして水神様を祀る例は非常に多い。
このほか牛を川へつれてゆき、タデの葉で洗ってやると牛が達者で災難にあわないという。
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