「江戸参府紀行」 シーボルト 東洋文庫 昭和42年発行
十一・大坂から長崎への帰り旅
(広島県大崎下島・御手洗港)
1826年(文政9)
6月25日(旧5月20日)
御手洗の町から数人の患者が来て、私の診察を求める。
患者の中には17歳の少女がいた。
(広島県大崎下島・御手洗港)
母親の申し立てによると、ときどき色情狂の発作を起こしたという。
私は母親に、食餌と心理学的な処置とともに、娘をはやく結婚させるよう忠告した。
(広島県大崎下島・御手洗港)
この話を娘はうれしそうな笑いを浮かべて聞いていた。
精神病の症状に国民的の風習が現れるのは、注目に値するものである。
たとえばこの少女は、
病気の発作が起こると、歯を黒く染めるが、こうするのは日本では既婚の婦人の一般的な印なのである。
(広島県大崎下島・御手洗港)
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