MUSTANG / A71
フジロック予習特集第７弾、ムスタング！！ これはフレンチ・ロカビリーか？
『エルヴィスのように歌い、ボ・ディドリーのようにギターを鳴らし、 ジェリー・リー・ルイスのように鍵盤を叩く！』というキャッチ・コピーに飛びついたはいいんですけど、なんかね～、違うんですよ。確かにヴォーカルはエルヴィス的ですし、ボ・ディドリー・ビートを使った曲もありますよ。そして鍵盤が大活躍するんですけど、このキャッチ・コピーから想像するような単純明快なロカビリーじゃないんですよね。いや単純なんですけど、どこか捻れてる。
ギターのリヴァーブのかかり具合なんかには、どちらかというとハワイアンとかトロピカルな感じを連想させられますし、鍵盤と言ってもキーボードが恐ろしい程にチープな音色で迫ってくる。さらにドラマーが居るのにレトロな打ち込みビートを多用してたり、そのうえ歌詞はフランス語なので何処かフレンチ・ポップな香りもある。さらにテーマ曲的な「Mustang」はベンチャーズのようなサーフ・インストで飛ばしてくるし、「C'Est Fini」はエレポップ風、「Le Pantalon」はシャンソンか？ でも一番驚いたのは「Electric De Chocobo」です。何か聞き覚えのあるメロディーだと思ったらファイナル・ファンタジーの「チョコボのテーマ」ですよ！ これをベンチャーズ的ギター・インストで演ってるんですけど、これが格好良いんですよ！ ちょっとウキウキしちゃいました。
もちろんもっと直接的にロカビリーを感じさせてくれる曲達もあります。しかも流石のクセ曲揃いです。例えば「Je M'Emmerde」はストゥージスの名曲「１９６９」のデタラメな歌詞の翻訳だそうですし、ボ・ディドリーのジャングル・ビートが炸裂する「King Of The Jungle」もどこまで本気なのか分からない。さらに人を食ったようなサビが強烈な異臭を放つ「Pia Pia Pia」。セクシーなヴォーカルが多少常軌を外し気味な「Anne-Sophie」や「Sexy Symphonie」。ノイジーなリフがガレージ臭をまき散らす「En Arrière En Avant」など、一癖も二癖もある曲が並んでます。とにかくギターとキーボードの織りなす雰囲気が独特で、そこにフランス語で歌うエルヴィスが乗るみたいな感じに、聴けば聴く程ハマっていきます。
ちなみにこの超個性的な歌とギターとキーボードは、中心人物のジャン・フェルジヌが一人でやっているようです。凄いですねこの人！ そのジャン・フェルジヌとベーシストのジョアン・ジャンティル、ドラマーのレミ・フォールがハイスクール時代に出会い、このムスタングは結成されたそうです。５０年代のブルースやR＆Rはもちろん、７０年代後半から８０年代に活躍したカルト・バンド、スーサイドにも影響を受けているそうです。スーサイドですか～。なるほど、なんとなく納得です。このヴォーカルとキーボードの感じはスーサイドに近いかもしれません。
これはフランスらしいミクスチャー感覚なんでしょうね。色々な要素がもの凄く雑然と持ち込まれているようでいて、そこにはムスタングならではの美学が確実に存在しています。初めて聴いた時は、ちょっと掴みどころのない印象を受けるかもしれませんが、聴けば聴く程その魅力にジワジワと侵されていきます。
いや～、それにしても面白そうなバンドを見つけてきてくれましたね。初日の苗場食堂が狙い目だと思うのですが、案外、前夜祭もあるのではないか？と勝手に期待しています。どんなライヴを演ってくれるのか？楽しみです。ちなみに、「La Dame De Pique」や「Maman Chérie」、「La Plus Belle Chanson Du Monde」のようなスロー・ナンバーも秀逸なんです。やはりフランス語の語感によるところも大きいかもしれませんが、不思議な情緒を持ってるんですよね。
http://www.youtube.com/watch?v=zfXJ-VgHXKc&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=kkvNzVzABC8&feature=channel
～関連過去ブログ～ お時間有ったらぜひ！
10.05.11 フジ予習：ジョン・バトラー・トリオ
10.05.15 フジ予習：コリーヌ・ベイリー・レイ
10.05.20 フジ予習：キティー・デイジー＆ルイス
10.06.06 フジ予習：コデイン・ベルベット・クラブ
10.06.19 フジ予習：JJグレイ・アンド・モフロ
10.07.20 フジ予習：モリアーティ
フジロック予習特集第７弾、ムスタング！！ これはフレンチ・ロカビリーか？
『エルヴィスのように歌い、ボ・ディドリーのようにギターを鳴らし、 ジェリー・リー・ルイスのように鍵盤を叩く！』というキャッチ・コピーに飛びついたはいいんですけど、なんかね～、違うんですよ。確かにヴォーカルはエルヴィス的ですし、ボ・ディドリー・ビートを使った曲もありますよ。そして鍵盤が大活躍するんですけど、このキャッチ・コピーから想像するような単純明快なロカビリーじゃないんですよね。いや単純なんですけど、どこか捻れてる。
ギターのリヴァーブのかかり具合なんかには、どちらかというとハワイアンとかトロピカルな感じを連想させられますし、鍵盤と言ってもキーボードが恐ろしい程にチープな音色で迫ってくる。さらにドラマーが居るのにレトロな打ち込みビートを多用してたり、そのうえ歌詞はフランス語なので何処かフレンチ・ポップな香りもある。さらにテーマ曲的な「Mustang」はベンチャーズのようなサーフ・インストで飛ばしてくるし、「C'Est Fini」はエレポップ風、「Le Pantalon」はシャンソンか？ でも一番驚いたのは「Electric De Chocobo」です。何か聞き覚えのあるメロディーだと思ったらファイナル・ファンタジーの「チョコボのテーマ」ですよ！ これをベンチャーズ的ギター・インストで演ってるんですけど、これが格好良いんですよ！ ちょっとウキウキしちゃいました。
もちろんもっと直接的にロカビリーを感じさせてくれる曲達もあります。しかも流石のクセ曲揃いです。例えば「Je M'Emmerde」はストゥージスの名曲「１９６９」のデタラメな歌詞の翻訳だそうですし、ボ・ディドリーのジャングル・ビートが炸裂する「King Of The Jungle」もどこまで本気なのか分からない。さらに人を食ったようなサビが強烈な異臭を放つ「Pia Pia Pia」。セクシーなヴォーカルが多少常軌を外し気味な「Anne-Sophie」や「Sexy Symphonie」。ノイジーなリフがガレージ臭をまき散らす「En Arrière En Avant」など、一癖も二癖もある曲が並んでます。とにかくギターとキーボードの織りなす雰囲気が独特で、そこにフランス語で歌うエルヴィスが乗るみたいな感じに、聴けば聴く程ハマっていきます。
ちなみにこの超個性的な歌とギターとキーボードは、中心人物のジャン・フェルジヌが一人でやっているようです。凄いですねこの人！ そのジャン・フェルジヌとベーシストのジョアン・ジャンティル、ドラマーのレミ・フォールがハイスクール時代に出会い、このムスタングは結成されたそうです。５０年代のブルースやR＆Rはもちろん、７０年代後半から８０年代に活躍したカルト・バンド、スーサイドにも影響を受けているそうです。スーサイドですか～。なるほど、なんとなく納得です。このヴォーカルとキーボードの感じはスーサイドに近いかもしれません。
これはフランスらしいミクスチャー感覚なんでしょうね。色々な要素がもの凄く雑然と持ち込まれているようでいて、そこにはムスタングならではの美学が確実に存在しています。初めて聴いた時は、ちょっと掴みどころのない印象を受けるかもしれませんが、聴けば聴く程その魅力にジワジワと侵されていきます。
いや～、それにしても面白そうなバンドを見つけてきてくれましたね。初日の苗場食堂が狙い目だと思うのですが、案外、前夜祭もあるのではないか？と勝手に期待しています。どんなライヴを演ってくれるのか？楽しみです。ちなみに、「La Dame De Pique」や「Maman Chérie」、「La Plus Belle Chanson Du Monde」のようなスロー・ナンバーも秀逸なんです。やはりフランス語の語感によるところも大きいかもしれませんが、不思議な情緒を持ってるんですよね。
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