ルーツな日記

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グラミー賞 ノミネート『BEST R&B ALBUM』

2016-02-14 17:31:18 | R&B、HIPHOP
D'Angelo And The Vanguard / Black Messiah

いよいよ間近に迫ってきたグラミー賞。当ブログのノミネート特集も順調に界を重ねて第9回。今回は『BEST R&B ALBUM』部門。正直、昨今のR&Bはさほど聴かないんですが、何故か、今年のこの部門には私のお気に入りの作品が並んでしまい、なかなかの激戦区なのであります。そのノミネート作は以下の5作品。


Leon Bridges / Coming Home
D'Angelo And The Vanguard / Black Messiah
Andra Day / Cheers To The Fall
Jazmine Sullivan / Reality Show
Charlie Wilson / Forever Charlie



ここは何と言ってもディアンジェロでしょう! 誰もが待ち望んだ15年振りの3作目となる最新作。現行ソウル界屈指のカリスマの復活を告げるこの新作は、そのリリース自体が大事件な分けで、リリースされた時点でグラミー決定!!みたいな、それぐらいのインパクトですよ!ですが正直、初めてこれを聴いた時は、どう評価していいのか私にはよく分からなかったしたんです。振り返れば過去2作品もリリース当時はよく分からなかったんですよ私には。ですがそれがディアンジェロの凄みでもある訳で、よく分からないからこそ格好良いみたいな。何がよく分からないかって、リズムがよく分からない。ゆらゆらとして一筋縄にはノレないグルーヴなんです。まあ、それが現代のトレンドなのかもしれませんが。

ですがそんな印象が一変したのがサマソニで見たディアンジェロのステージでした。アルバムのようなゆらゆらしたグルーヴを再現してくるのかと思いきや、これが意外と往年のソウル/ファンクへのオマージュのような、肉感的なグルーヴで驚いたんです。特に「Black Messiah」のなかでも一際変態的なリズムで印象的だった「Sugah Daddy」。アルバム通りのノリづらいグルーヴのようでありながら、これが異様に腰にくる。この曲こんなにノレるの?って驚いていると、そのグルーヴから突如としてJBファンクが沸き上がってきたんですよ。「Ain't It Funky Now」的なホーンリフも決まったまさにジェイムス・ヴラウンなノリ。単なるメドレーと言うより、元々「Sugah Daddy」にJBファンクが内包されていたと感じさせられ、いや、「Sugah Daddy」に限らず、「Black Messiah」というアルバム自体が、JB、P-FUNK、スライ、そしてプリンス等、偉大な先人達のファンクをいったん因数分解し、現代、もしくは近未来へのフィルターにかけて再構築したような作品なのでは?と納得させられたんです。ライヴを観た後、この「Black Messiah」は随分違って聞こえるようになりました。リズムの深いところに、これまでブラックミュージックが積み重ねてきた濃厚グルーヴが凝縮されているような。文句無しの大傑作!!


対抗は、ジャズミン・サリヴァン。私、この女性シンガー大好きなんです。そしてリオン・ブリッジズ、アンドラ・デイという次代を担うシンガーがノミネートされているのも注目どころ。でもここは100%、ディアンジェロでしょうね。

ちなみにディアンジェロは「Black Messiah」収録の「Really Love」で、『BEST R&B SONG』と、なんと主要部門の『RECORD OF THE YEAR』にもノミネートされています。

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