『菜根譚』(洪自誠著、神子侃・吉田豊訳、徳間書店)を読む。
『菜根譚(さいこんたん)』は、中国古典の一つ。別名「処世修養篇」(孫鏘の説)といい、中国明代末期に、洪自誠が残した随筆集である。前集222条、後集135条からなる。主として前集は社会生活向上の心得を説き、後集では自然と閑居の楽しみを説く。『菜根譚』は体系的な哲学書ではなく、筆者が思いつくままに書いたアフォリズムであり、各章句の前後の脈絡も明確ではない。ただ全体として本書に描かれる中心思想は「中庸の徳」であるとされている。要は「ほどほどに」ということ。
読みながらアンダーラインを引っ張った句の中で、『花三態』というのが特に印象的だった。
富貴名誉、自道徳来者、如山林中花。自是舒徐繁衍。
自功業来者、如盆檻中花。便有遷徒興。
若以権力得者、如瓶鉢中花。其根不植、其萎可立而待矣。
<訳>
すぐれた人格によって得た地位名誉は山野に咲く花。放っておいても伸び伸びと育つ。
功績によって得た地位名誉は鉢植えの花。ご主人の気持ち次第で植えかえられたり、捨てられたり。
権力にとり入って得た地位名誉は花瓶にさした花。見ているうちにたちまちしおれる。
こういうのを読むと学生時代、古文・漢文をもっときちんと勉強しておけばよかったと思ってしまう。
『菜根譚(さいこんたん)』は、中国古典の一つ。別名「処世修養篇」(孫鏘の説)といい、中国明代末期に、洪自誠が残した随筆集である。前集222条、後集135条からなる。主として前集は社会生活向上の心得を説き、後集では自然と閑居の楽しみを説く。『菜根譚』は体系的な哲学書ではなく、筆者が思いつくままに書いたアフォリズムであり、各章句の前後の脈絡も明確ではない。ただ全体として本書に描かれる中心思想は「中庸の徳」であるとされている。要は「ほどほどに」ということ。
読みながらアンダーラインを引っ張った句の中で、『花三態』というのが特に印象的だった。
富貴名誉、自道徳来者、如山林中花。自是舒徐繁衍。
自功業来者、如盆檻中花。便有遷徒興。
若以権力得者、如瓶鉢中花。其根不植、其萎可立而待矣。
<訳>
すぐれた人格によって得た地位名誉は山野に咲く花。放っておいても伸び伸びと育つ。
功績によって得た地位名誉は鉢植えの花。ご主人の気持ち次第で植えかえられたり、捨てられたり。
権力にとり入って得た地位名誉は花瓶にさした花。見ているうちにたちまちしおれる。
こういうのを読むと学生時代、古文・漢文をもっときちんと勉強しておけばよかったと思ってしまう。