前回からの続き。
愛用のROLEXのオーバーホールをお願いしていた時計職人Nさんから「作業完了」の電話がある。
以前の作業場は南船場の雑居ビルだったが、修理期間中に東心斎橋の別のビルに引っ越したということで、教えてもらった住所を訪ねる。
約1ヶ月ぶりに再開するわがオイスター・パペチュアルは、新品同様ピカピカになって返ってきた。中の部品は悪くなく、風防とパッキンを交換しただけで済んだそうだ。したがって値段も当初想定していた金額の半分くらいで収まった。
説明を受けがてら、Nさんと少し雑談をする。本業はメーカーや小売店からから修理をまとめて請け負う法人取引専門である。それが今回、我が後輩時計マニアのM君からの紹介、ということで個人的に作業してもらえた。本来なら、メーカーや小売店が間接経費を上乗せするので、倍くらいの値段で請求されるだろうとのこと。
「Mさんと知り合ったのが運の尽きですわ(笑)。個人的にマニアックな機械式ばっかり修理持ってきはるんです。いつも泣きながら作業しています(笑)」
人懐っこい笑顔でムリを頼むM君の姿が思い浮かぶ(^_^;)。
その場で腕に巻いて帰路につく。嬉しくなって道中何度も時計を眺める。
ということでアンティークROLEX物語、さほど劇的なオチはなく、完。