物部の森

日常感じたこと、趣味のこと、仕事のこと・・・等々
日記風に書いてます。

今回の政権交代をキャリア論でとらえてみると

2009年08月31日 | Weblog
 ロンドン・ビジネス・スクールのナイジェル・ニコルソン教授によれば、本来キャリアというのは直線的に伸びていくのではなく、円環(らせん形)を成していくものだという。

 ①新しい世界に入る準備段階(preparation)
 ②実際にその世界に初めて入っていって色々新たなことに遭遇する段階(encounter)
 ③新しい世界に徐々に溶け込み順応していく段階(adjustment)
 ④もうこの世界は新しいとはいえないほど慣れて落ち着いて安定化していく段階(stabilization)

という一周から成る。そして④の段階から、次の一周の①に帰っていく。④から①への過程は、順調なステップアップもあれば、反対にステップダウンもある。当然前者の形をとり、らせん状にキャリアを昇っていくのが望ましいが、ステップダウンもまた新しい経験値を増やし、人を組織を発達させていく。
 私にとっては、このニコルソンの「キャリア論」が一番“腹落ち”するので、若手社員の教育の場でもしばしば紹介してきた。
 今回、民主党は①の段階から、「政権を担う」という②の段階へ突入。一方永らく④の段階にとどまりながら日本社会の変化に順応できてこなかった自民党は、再び①へ帰っていった。
 今の民主党にとって、308という数字は重い。この重さが組織に主体性と責任感をもたらすのである。また自民党は、今回の結果を真摯に受け止め、新しい支持基盤をつくるきっかけにすることを期待したい。
 民主・自民二大政党が、組織としてのキャリアを二重らせん状に伸ばしていく。こうして、日本政治の新たなDNAが培われていくのである。
コメント
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