5年振りに復活した「M-1グランプリ」は、相当ハイレベルだった。9組の出場者から、ジャルジャル、銀シャリ、トレンディエンジェルがファイナルに進み、トレンディエンジェルが優勝。敗者復活からの優勝というサンドウィッチマン以来の快挙だった。歴代の優勝者が審査員というのも面白い試みだった。
以下、出場順にコメント。
■メイプル超合金
初めて見た。名前も聞いたことがなかった。キワモノ扱いされそうなルックスだがきちんと漫才をする。当然左の女がボケだと思ってたら、右の時代錯誤な感じのお兄さんがボケだった。売れてない漫才師がゴールデンで漫才、しかもM-1ならもっと緊張しそうなものだが余裕すら感じられた。しばらくはバラエティに引っ張りだこになるだろう。
■ジャルジャル
このネタは昔からやっている。微妙な言い間違いやイントネーション、変な突っ込みや、架空のことわざなどが、随所にちりばめられる。一度噛んだりテンポが悪くなると大失敗するネタだが、さすが今回の出場者の中では一番場数を踏んでいる二人、一本目はほぼ完璧だった。ただ二本目も同じパターンを持ってきたのはどうかな。観客も視聴者も、(同じパターン?何か変えてくるの?)などと雑念が生じて漫才に集中しにくいところがあった。
■馬鹿よ貴方は
昨年の決勝進出は完全にまぐれだと思っていたが、今年も出て来るということはやはり実力があるのだろう。色々と好みは分かれるが私は嫌い。ネタは去年よりも密度が濃かった。最後「大丈夫だよ」。「顔をひし形にしてやろうか」をずっと繰り返すのは本人たちにとって大いなる賭けだったのだろうが、全く笑えなかった。「オフィス北野」所属。
■スーパーマラドーナ
関西では結構有名らしい。名前は聞いたことがあるが、漫才を見るのは初めてだ。よく作り込まれたネタである。前半に伏線を張っていたのが最後にすべて繋がってしかもそれが「上手い」というよりちゃんと「面白い」。左のボケがひたすら一人芝居をし、右が補足的なツッコミを入れる。これがもうちょっと笑いを足し込める感じならもっと良い。
■和牛
「結婚式直前に新郎の元を離れ本当に好きだった男性のところへ駆け付ける女」という、ラブストーリーなどでよくあるシチュエーションについてひたすら揚げ足を取る漫才。面白かったのだが、左のボケのコメント(要するに屁理屈)が妙にしっかりしすぎて、途中からしんどくなってきた。
■銀シャリ
「調味料のさしすせそ」から展開させる彼らのお得意のネタを持ってきた。結局「あいうえお作文」の応用形なのだが、なんかいかにも昭和的である。勝ちたいという意気込みを一番感じたコンビだった。二本目は微妙な言い間違いなど、ジャルジャルのネタと被ってしまったのが残念。「壁ドン」「ベルリンの~!?」が耳に残る。
■ハライチ
岩井の言い間違いボケに澤部がひたすらノリツッコミを繰り返すといういつものネタは封印して、新しいパターンで挑んできた。岩井が序盤で噛んだりもたついたりしたのがイタい。澤部が軌道修正しようと焦っている姿がはっきりと見て取れ、こちらもハラハラしてくる。彼らほど売れててもM-1の舞台ではこうなってしまうのだ。恐ろしい。
■タイムマシーン3号
かつて一度だけM-1の決勝戦に進出しているらしい。全く記憶がない。今回のネタはよくできていた。結局、空耳アワーなのだが、「言葉を全部太らせる」という切り口が良かった。しかも後半はボケとツッコミが入れ替わり、「言葉を全部痩せさせる」展開に。それがまた余計に面白い。スーパーマラドーナ同様、ファイナルに進んでもよいくらいの出来だったが、今年のレベルの高さに阻まれた。
■トレンディエンジェル
敗者復活からの決勝進出。一本目は気負いが感じられ若干散らかった漫才になったが、そのハチャメチャさが奏功し爆笑を誘った。ファイナルも一本目の勢いのまま優勝をもぎ取った感じだ。早いテンポで意外と動きが切れるしアドリブもきく。ただハゲ一辺倒でストーリー性のあるネタを見たことがない。フリートークはいけるし売れるのは間違いない。おめでとう。
以上、48歳にもなってこんなことを真面目に書いている自分がつくづく情けなく、かつ、わりと好きだったりする。
以下、出場順にコメント。
■メイプル超合金
初めて見た。名前も聞いたことがなかった。キワモノ扱いされそうなルックスだがきちんと漫才をする。当然左の女がボケだと思ってたら、右の時代錯誤な感じのお兄さんがボケだった。売れてない漫才師がゴールデンで漫才、しかもM-1ならもっと緊張しそうなものだが余裕すら感じられた。しばらくはバラエティに引っ張りだこになるだろう。
■ジャルジャル
このネタは昔からやっている。微妙な言い間違いやイントネーション、変な突っ込みや、架空のことわざなどが、随所にちりばめられる。一度噛んだりテンポが悪くなると大失敗するネタだが、さすが今回の出場者の中では一番場数を踏んでいる二人、一本目はほぼ完璧だった。ただ二本目も同じパターンを持ってきたのはどうかな。観客も視聴者も、(同じパターン?何か変えてくるの?)などと雑念が生じて漫才に集中しにくいところがあった。
■馬鹿よ貴方は
昨年の決勝進出は完全にまぐれだと思っていたが、今年も出て来るということはやはり実力があるのだろう。色々と好みは分かれるが私は嫌い。ネタは去年よりも密度が濃かった。最後「大丈夫だよ」。「顔をひし形にしてやろうか」をずっと繰り返すのは本人たちにとって大いなる賭けだったのだろうが、全く笑えなかった。「オフィス北野」所属。
■スーパーマラドーナ
関西では結構有名らしい。名前は聞いたことがあるが、漫才を見るのは初めてだ。よく作り込まれたネタである。前半に伏線を張っていたのが最後にすべて繋がってしかもそれが「上手い」というよりちゃんと「面白い」。左のボケがひたすら一人芝居をし、右が補足的なツッコミを入れる。これがもうちょっと笑いを足し込める感じならもっと良い。
■和牛
「結婚式直前に新郎の元を離れ本当に好きだった男性のところへ駆け付ける女」という、ラブストーリーなどでよくあるシチュエーションについてひたすら揚げ足を取る漫才。面白かったのだが、左のボケのコメント(要するに屁理屈)が妙にしっかりしすぎて、途中からしんどくなってきた。
■銀シャリ
「調味料のさしすせそ」から展開させる彼らのお得意のネタを持ってきた。結局「あいうえお作文」の応用形なのだが、なんかいかにも昭和的である。勝ちたいという意気込みを一番感じたコンビだった。二本目は微妙な言い間違いなど、ジャルジャルのネタと被ってしまったのが残念。「壁ドン」「ベルリンの~!?」が耳に残る。
■ハライチ
岩井の言い間違いボケに澤部がひたすらノリツッコミを繰り返すといういつものネタは封印して、新しいパターンで挑んできた。岩井が序盤で噛んだりもたついたりしたのがイタい。澤部が軌道修正しようと焦っている姿がはっきりと見て取れ、こちらもハラハラしてくる。彼らほど売れててもM-1の舞台ではこうなってしまうのだ。恐ろしい。
■タイムマシーン3号
かつて一度だけM-1の決勝戦に進出しているらしい。全く記憶がない。今回のネタはよくできていた。結局、空耳アワーなのだが、「言葉を全部太らせる」という切り口が良かった。しかも後半はボケとツッコミが入れ替わり、「言葉を全部痩せさせる」展開に。それがまた余計に面白い。スーパーマラドーナ同様、ファイナルに進んでもよいくらいの出来だったが、今年のレベルの高さに阻まれた。
■トレンディエンジェル
敗者復活からの決勝進出。一本目は気負いが感じられ若干散らかった漫才になったが、そのハチャメチャさが奏功し爆笑を誘った。ファイナルも一本目の勢いのまま優勝をもぎ取った感じだ。早いテンポで意外と動きが切れるしアドリブもきく。ただハゲ一辺倒でストーリー性のあるネタを見たことがない。フリートークはいけるし売れるのは間違いない。おめでとう。
以上、48歳にもなってこんなことを真面目に書いている自分がつくづく情けなく、かつ、わりと好きだったりする。