【書籍】戦略の不条理 ～なぜ合理的な組織は失敗するのか～

　『戦略の不条理』（菊澤研宗著、光文社新書）を読む。


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【多元的世界観】
・物理的世界、心理的世界、知性的世界が存在する世界観

【物理的世界】
・物質・物体・物理的状態・人間の体

【心理的世界】
・人間の心的状態、感情、欲望、心理プロセス

【知性的世界】
・一般的知識、技術的知識、理論内容、取引コスト

【クラウゼヴィッツの戦略論】
・対象：物理的世界
・軍事戦略の王道
・他の２つの世界で変化が起これば淘汰されてしまう

【リデル・ハートの戦略論】
・対象：物理的世界＋心理的世界
・知性的世界で変化が起これば「戦略の不条理」に陥る可能性あり

【エルヴィン・ロンメルの戦略論】
・対象：物理的世界＋心理的世界＋知性的世界
・立体的にそれぞれの世界にアプローチする多元的アプローチ
・キュービック・グランド・ストラテジーの第一原理

【孫子の兵法】
・戦時も３つの世界を明確に意識しながら、そのときどきの戦況に応じて臨機応変に戦略を変化させる

【企業の経営戦略への応用】
・企業サイド
　物理的世界へのアプローチコスト：Ｃ１
　心理的世界へのアプローチコスト：Ｃ２
　知性的世界へのアプローチコスト：Ｃ３
・顧客サイド　
　物理的世界でのベネフィット：Ｂ１
　心理的世界でのベネフィット：Ｂ２
　知性的世界でのベネフィット：Ｂ３
　　　　　⇒Ｃ１＋Ｃ２＋Ｃ３＞Ｂ１＋Ｂ２＋Ｂ３　となるよう設計する

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　軍事戦略と経営戦略を結び付けた、よくまとめられた本だと思う。願わくば最後の「経営戦略」にページを割き、企業の実例をもっと入れてほしかった。