51歳の誕生日。朝5時過ぎに起きて、企業経営者や士業の人たちが集まるモーニング勉強会に初めて参加した。
この日は、友人のAさんが、自身の闘病記、そしてその間の経営手法について講演することになっていた。本人から「良かったら聴きに来て」と招待を受けていた。
会場は南森町の「プレミアムホテル・CABIN大阪」。
6時15分受付、30分開始。20分過ぎに着いたら、もうかなりの人が来ている。総勢80名くらいの大規模な講演会だ。会の責任者の挨拶などがあり、いよいよAさん登場。いきなり、上着の裏に自身の座右の銘「つきまくり」が刺繍してあるのを見せて、聴衆の心を掴む。
2015年に脳に悪性リンパ腫が見つかり、余命4ヶ月を宣告された。脳の大手術をして仮に命が助かっても、半身不随、言語障害、味覚障害、人格変化が残る可能性が高い。それで自身は手術を拒否し、投薬と放射線治療とイメージトレーニングだけで、癌を克服した。
このイメージトレーニングがまさに超ポジティブ人間Aさんらしい。「闘病」という言葉をまず使わないようにした。癌も自分が作りだしたもの。それと“闘う”という考え方がダメらしい。また癌(ガン)という響きも良くない。それで勝手に「ポン」と名前を付けて「ポン」と仲良くするという発想に切り替えた。看護師さんたちもそれを理解して「抗ポン剤」などとノってくれた。
そして、仲間からもらった千羽鶴や、仲間と撮った飲み会の写真などを毎日見つめながら、「オレは絶対こいつらのところに戻る」とずっと念じていたそうだ。するとピンポン玉大の腫瘍(レントゲン写真も見せてもらった)がいつの間にか消えてしまった。
彼は、当時の様子をFacebookに投稿していた。私もそれを読んで、メッセージを送ったりしていた。まさに「信成万事」。思いの強さが難病を凌駕したのだ。
終わってからは近くの大阪天満宮にお参り。私も子供のことを強く祈った。
10時頃、家に帰ってからは、家族から誕生日のプレゼントをもらう。オフィスで飲むためのコーヒーと、ヒートテックの靴下。ちゃんと要るモノを分かってくれている嫁。
朝から充実。最高の51歳の誕生日である。