ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

デザインのめざめ~原研哉

2014-03-10 03:27:11 | 本の少し
デザインのめざめ (河出文庫)
クリエーター情報なし
河出書房新社

☆☆☆

グラフイックデザイナーである原研哉さんの本。

“マカロニの穴のなぞ”などちょっとしたことを
デザイナーの視点で語る。

一番気になったのは、森田真生さんが解説でも書いておられて重なりますが、

“手もひらの装丁”の中で、人類が直立歩行を始めた時、

自由なった両手で何を始めたか。

こん棒の様なものを手にし、それを武器にしたと・・・。


もうひとつが凄い・・・。

自由になった両手を合せると小さな空間ができる。

人類の祖先はこれで水をすくって飲んだ。

そこに“器”の始源があると・・・・・。



これを読んで、じゃんけんの“ぐー”“ちょき”“ぱー”が浮かんだ。

叩くもの、分けるもの、包むもの、・・・・・。


私の目の前のペン差しには、ハサミと鉛筆とマーカー。

小さなトレーの中には、クリップとピンが。

棚には、本と箱、箱の中には未整理の写真。

机の上には、山積みの本。

身体を包む服があり、

家があり、部屋があり、ベットがあり、毛布がある。

私たちは、両手の器のような空間の中にいかに暮らしているのか。

そして、自分好みに合わせてどれだけ選択していることか・・・・・・。



最後に作者の言葉を再び記すると、

デザインは「もの」に働きかけるのではなく、人の心に働きかけるものだと。


考えるヒントになるような本でおます。



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