一年振りの田辺寄席ですが、幟が沢山に増えてます。
《新じっくりたっぷりの会―桂南天の段》
開口0番は「禁酒」
酒癖が悪い方というと、先代の文我(我太郎)さん。
人の話の揚げ足を取って、どんな事でも絡んでくる。
もう一人、凄かったのは小染さん。
意識のなくなるまでとことん呑む。
呑みに行こうと云われたら、朝方までは覚悟の上。
亡くなられたのは、享年36才、若かったですな。
「酒は百薬の長、命をけずるかんな」とか、
適度に嗜むのが、よろしおますな。
一、笑福亭生寿・・・・・・・・・・「金釣り」
最初のマクラから、師匠の生喬さんによく似てきましたな。
落語といい、宝塚といい、師匠と弟子の関係、気持ち悪いぐらい似るんですな。
噺はこの頃、生寿さんよく掛けられる「金釣り」。
珍しい噺ですが、まっこと「金を稼ぐネタ」、「金釣り」でおますな。
二、桂南天・・・・・・・・・・・・・・「阿弥陀池」
最高、良ろしおますな。・・・・・・・・・・南天落語、爆発。
「体をかわす」、「タイ」を思いだすのに「西宮」からの一連。
随所に、南天さんの工夫がいっぱい。
「針の先」「エサ」の答に、「いったい持っている鯛の、どこにエサ見えんのや」と、
ちょっとしたところに、お客様目線が入る。
「ゾウ」の説明にも、「鼻の長い動物」、・・・・「オオアリクイ」「バク?」などがでてくる
「そんな難しい答え出せるんなら、もっと簡単なあるやろ」と
ひっぱること、ひっぱること・・・・・。
ああ、「米政」の弟が殺されたと聞いてからのドタバタぶりは、最高潮。
大師匠の枝雀さんを彷彿させる。
こんな南天ワールド全開の落語聴けると、誰が行けというた、
それなら「阿弥陀が池」と申しました・・・・の一席でおます。
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・「蛸芝居」
文枝師匠の十八番「蛸芝居」。
家内中、芝居好きの最後は蛸まで踊りだす。
この落語で一番難しいのは、その蛸の顔とか・・・。
サゲは、「黒豆、三粒、持ってきてくれ」と、
これは蛸にあたった時のおまじないらしいです。
四、笑福亭由瓶・・・・・・・・・・「じゅうじゅう亭弁当」
酷い、凄い、辛い、こんな落語、あるんですな。
新大阪から京都までの買った弁当に白ごはんが付いていなくて大騒動。
でも、嫌な上司ですなぁ。 人の過ちにとことん付け込む。
逆の立場なら、どうするのか。
創作落語、作者の本質が表れるとすれば、これが由瓶さんの本質、
笑うに笑えないとはこのこと・・・誠に、怖いハナシでおました。
五、桂南天・・・・・・・・・・・・・・「住吉駕籠」
おもしろいのには、間違い無いんですが・・・・。
これは、南天ワールドが出過ぎて、住吉さんではなく、
天神さんの境内のような感じ。
バタバタしてせわしなくて、あの熊野街道のゆったりとした大人の空間、
住吉さんの風景が浮かんでこず。
落語というのは難しい芸で、受け手側の客の想像力に任しているだけに、
酔っ払いの客と駕籠かき二人にフォーカス、焦点が絞られれば絞られるほど、
街道筋の周りの景色が消えてしまう。
あの、「駕籠の向き変えときや」は、場面転換の息抜きで、
お口直しに周りの景色が拡がるところ
そこまで、笑いで埋めてしまうと、ドンドン、インドア状態になってしまいますな。
演者も客も、各自その場でイメージしているだけに、
浮かぶ景色に各々違いが生じるんですな・・・・。
(贅沢な意見で、すいまへん)
ほんと、ああ、落語って、難しい芸でおますな。
第738回・田辺寄席
《新じっくりたっぷりの会―桂南天の段》
2016年1月16日(土)午後5:30開演
桃ヶ池公園市民活動センター
一、笑福亭生寿・・・・・・・・・・「金釣り」
二、桂南天・・・・・・・・・・・・・・「阿弥陀池」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・「蛸芝居」
仲入り
四、笑福亭由瓶・・・・・・・・・・「じゅうじゅう亭弁当」
五、桂南天・・・・・・・・・・・・・・「住吉駕籠」
十分愉しませて頂きました、田辺寄席の昼夜公演でおました。
中入りの休憩、寒いだけにぜんざい一段と美味しおます。
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