ももすけの日記

きゃあと言ふ声あちこちで穴まどひ
ああ面白かったと言って死ねたらいいな

人間の種類

2013年08月09日 16時42分39秒 | 日記

人間の分け方もいろいろあって、性別だの、背の高い低いだの、色白か色黒だの、おしゃべりだか無口だか、、、

そんな分け方の中で、同情されたくないタイプとかわいそうにと思ってほしいタイプの2種類に分けることもできると思う。

ぼくのおかあさんは断然、かわいそうに思ってもらいたいタイプ。

頚髄損傷から4ヶ月半、今の保険制度では骨がくっついていないとか、歩けないとかでないと総合病院から普通の整形外科の医院にかわらないといけないそうです。でも、一番近い整形外科はあまり評判良くないし、せいぜい電気を当てるだけ。今やってもらっているリハビリ作業療法というのはマッサージとかなので整骨院でしか受けられないそうです。しかし、整骨院へは病院から紹介状は出せない。整骨院でのやり方でもし不備があっても病院は責任をとれない、とのこと。

「あとは日にち薬」と主治医の先生は言うのでした。もし具合が悪くなったら月曜と水曜の午前中は診察しているからいつでも来てください、と。

おかあさんの首や肩のことを一番よくわかってくれているリハビリ作業療法士さんとも、今月末で終わりになってしまいます。

病院に早い時期、お見舞いに来てくれた人たちは、今でも、大丈夫?無理しないでね、とこわそうに言いますが、そんなときを知らない人たちは、もう普通に歩けているし、治ってよかったわね、と言います。

違う!両手ともしびれてるし接触すると痛いし、背中から足にかけて左半分はあんまり感覚がないし、左右の温度差があって、お風呂の湯に浸かると左側はあんまり暖かく感じない。痛いよりはましだけれど、これも気持ちのいいものではありません。俯いていられる時間もだんだん長くはなってきたけど、しんどいことですし、ここには書けない、もっと困ったこともあります。

その主治医の診察をおえて帰る途中、同じテニスクラブの人に会いました。人づてにおかあさんのことを聞いていたのでしょう。「あっら~、歩けてるわね!よかった」

でも、と、おかあさんはまたひとしきり、こうなのよ、ああなのよ、と訴えます。すると、彼女のお友だちが3年ほど前に自転車に乗っていて帽子が飛びそうだったので両手をハンドルから離した途端、電柱にぶつかり頚髄損傷、以来、首から下は全く動かないのだそう。「だから頚髄損傷ときいて心配していたのよ」

そうよね、あれほどのひどい状態から今は歩けているのだもの、と、あれこれ不満を並べ立てて一段落するといつも、ありがたいと思わなくっちゃと思うのです。

また別のお友だちは、怪我のことをお嬢さん(おねいちゃんのこと)から聞いたけど、(入院中の姿を)人に見られたくないだろうから、とお見舞いに行けなかったのよと、退院後に道端で出会ったときに言っていた。まぁ、彼女はもともと見舞う気はなかったのだと察するけれど、この言葉から思い出したこと。

昔お勤めしていた会社の同期でとってもきれいだった友人(吉永小百合より美人だったと思う)が40歳で亡くなったとき、49日が過ぎて旦那さんから知らせがあった。1年前にガンとわかっていたのだけれど、どんどんやつれていく姿を人に見られたくないと家族以外とは会わなかったのだそうだ。

美人には美人の誇りがあるのだとその時思ったのだったけれど、おかあさんは(美人じゃないから)どんな姿になっていても、お見舞いに来てね、来てね、というタイプだと思います、きっと。

ぼくはといえば、だんだん手足の力が衰えてきて踏ん張りがきかなくなって、両手がどんどん、ずるずる、よれよれ。。。

でも、やっぱり人間といっしょにいたい。