2012年も6月1日一年の半分暮らしたということであろうか?先の熊日講座「五高と近代日本」で明治30年代から40年代にかけて法科では擬国会が盛んに開催されていたということの話があったので、その様子について龍南会雑誌に「擬国会について」と掲載されていたのでそれを転載してみたので掲げることにした。
擬国会について・・龍南会雑誌P134 66~72から転載
時恰も政治季節で日比谷の桧舞台では数百の国民の代表者が華華しい活動を演じて夙夜吾人の注目を惹いている。吾人は彼等の是非は知らないが、其余りに不誠実不真面目なるを嘆じるものである。吾人は代議政体の完璧を期するものである。将来は内閣諸公を控え目に余る議員を並べて政権を発表する機会を得たいと思っている.遮莫国民の休烕と国家の安危とは早晩吾等が双肩に荷負わねばならぬ。吾人は各自の責任を自覚して徹頭徹尾誠心誠意で国事に尽くす人士に期待するものである。やがて龍南の天地からも賢良な代議士が出て吾人の希望を満足せしめらん事を祈って置かないものであろう。於いて茲に吾人が開く擬国会の催も無意味ではない。新たに成立せる杉山内閣は大田外務松川内務徳永大蔵須之内陸軍相良海軍中村司法大田文部大原逓信の各大臣以下少壮有為の人材を網羅して国民喝采の裡に迎えられ此の二月八日を以って予算案と共に左の諸案を提出して議会の協賛を得んとするものである
1、工場法案2、関税改革案3、学制改革案、4、官吏増法案、5、議員歳費増加案、6、所得税法中改正案
一面に於いては民党は国民の世論を代表すと号して左の量要な諸案を提げて脾肉の活動俟つて居る。
一、地租軽減案 二、日韓合邦案、三、韓国施政質問、四、税廃止法案、五、満州問題質問 六、対米外交質問、
此に、民党は宮本義介氏を院内総務に推し山村、小柳、波多江、末広、渡辺、伊東、の諸氏調査委員に挙げられ期間新聞として民生自由新報を発行して世論の喚起に努め比政指摘攻撃し新内閣の政策は国政をあやまり民を傷くる極なりと痛論し内閣諸公をして顔色なからしめた。これに対する政府等も樋口芳法氏を総理とし和田、長瀬、古谷、上内等の諸氏は比較的穏健なる筆致を以って現政府を謳歌した。審議の模様はあすにしたい。
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