家の近くの商店街に
料亭 山形屋重右衛門 か開店したのは、
もう八年も前のこと。
瀬田城跡にあって有名だった
旅亭 臨湖庵 が閉店して開いたお店※なので
ずっと、気になっていたのですが
オットさんの還暦の誕生日に出かけました。
※「臨湖庵」・「山重」さんの歴史
⇒http://www.yamaju.me/history/
で、大変素敵な接客をしていただき
オットさんも私も節目となる年、
私自身は、余生の生き方・考え方を
神様が示して下さったと思うほど
「ひとこと」に、心を打たれました。
・・・長い話になりますが・・・
予約時にメニューを決める必要はないのですが
お刺身付きは予約限定ということで、
前もってお魚・お肉・鰻・天ぷらのそろった
お得な御膳を頼みましたが、
暖かい料理をゆっくり楽しみたい場合、
もう少し奮発して懐石のメニューを選ばなければ
ならなかったようです。
料理は一度に並べられ、お肉は、すぐ火が入れられ
一旦、あげる器もありませんでした。
期待度が高かっただけに、内心がっかりしました。
くじけず、持ってきていただくよう頼むと
「使いますか?」「持ってきますか?」と
若い女性店員さん。
彼女は、食器を何度も順序を考えず下げに来て、
追い立てられるような気持になってきました。
それなのに、食後のコーヒーとシャーベットの前には、
テーブルの脇に外しておいたお箸を残しっぱなし。
懐石などの時に、片づけないようにと言われて
誤解しているのだろうか。。。
・・・悪くとらないようにとおもっても、
とにかく、お食事してさっさと帰ろう。
・・・的な心境になり始めていました。
ここまでだと、 不手際な接客 と 短気なワタシ ・・・
こういう時の常のまま、せっかくの外食なのに
しかめっ面で店を出るところでした。
ところが、
食後コーヒーとゆずシャーベットを頼んだところ
コーヒーが遅れるので、シャーベットを先に
持ってこようか、一緒にしようかと尋ねにきた
男性店員さん。
テーブルに残されたお箸を見て、
「あ・申し訳ありません」とすぐ気がついてくれたのです。
すぐに下げてくれながら「彼女は・・・」と言った後、
ほほ笑みながら
「 初々しくて。 」
・・・と結んだのです。
思わず、私は笑顔になりました。
「バイトさんなので」とか
「あたらしい人なので」とかでは
いいわけを聞いてもな・・・と思ったかもしれません。
「 初々しくて。 」 ・・・ は、
彼女を責めず、むしろかばいつつ、
かつ私達も一緒に彼女に対して温かい気持ち、
優しい気持ちにしてくれる言葉でした。
些細なことで、若い人の働きぶりを
咎めだてするような気持ちの傲慢さ、
短気さをとても恥ずかしく感じました。
たった一言で、人の気持ちが動くこともあると
気がつきました。
この人の柔和さと機知が私にあったら、
私の家族・私の仕事・・・私の人生は
もっとずっといいものになっていたかも。
周囲の人と一緒に、もっと多くを楽しめたかも。
なかなか、真似すらできませんが、
還暦・・・自分自身生まれ変わる気持ちで
こういう人がいることを常に忘れないで
これからの残りの人生を生きたいと思います。
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