日本では平安時代に相当する。
清少納言や紫式部と同時代の人であろう。
『包青天奇案 中国版・大岡越前の物語』(有坂正三、文芸社、2006年)という本が出ている。
『大岡越前』の「しばられ地蔵」はこの包公の「石碑」という故事がもとになっているらしい。
布が盗まれ、それが市場で賣られてしまった。訴えを受けた包公は石碑を犯人のように扱って、集まった見物人から布を集め、そこから盗品を見つけ、どこで賣られたかを突き止めたというもの。
もし「しばられ地蔵」が北宋時代の話とすると、アニメの『一休さん』で一休宗純(1394~1481)が地蔵を縛るアイデアを実行し、大岡忠相(1677~1751)がそれを応用したとしても不思議はない。
また、包公が獐(キバノロ)と鹿の夢を見て、張禄という人物がいるに違いないと思った話がある。
これは、この本によると「獐」と「張」が Zhang1で同音、「鹿」と「禄」が lu4でやはり同音であることによるらしい。
ただ、日本語の音読みで考えても「獐」は「章」を音符とすると考えれば「シャウ」、「張」は「チャウ」で音が似ており、「鹿」と「禄」はともに「ロク」であるから、日本語音読みで考えてもわかる。
「獐」の字は「のろ」の訓で変換したら出た。
藤堂明保の『学研漢和大字典』で北宋時代の音を調べると、「獐」「章」「張」は t∫ɪaŋ だったらしい。
「鹿」と「禄」は隋・唐代で luk、宋・元・明から lu になった。
なお、『西遊記』の猪八戒(Zhu Bajie)が「朱八戒」とも呼ばれるのは「猪」と「朱」が同音だからである。
また、ハリウッド版『ドラゴンボール』で孫悟空(Sun Wukong)が
「武昆」Wukun になったらしいが、これも「悟空」と「武昆」の音の類似によるものだろう。
『西遊記』で「五爻」wuyao と「無肴」wuyao を掛けているものがあるようだが、これは『西遊記』が明代に完成された小説だからであろう。
玄奘が生きていた唐代のシナ語では「五」の声母の舌根音と「無」の声母の唇音は残っていたはずである。
元禄~正徳の時代に日本で出版された『本朝藤陰比事』に「詮議動かぬ石佛の番」(『大岡越前逸話集』では「~石仏~」表記)で出ているらしい。ここでは被害者が木綿賣りの河内屋羽右衛門、最初に捕縛されたのが地蔵になっている。
板倉勝重(1545~1624)と板倉重宗(1586または1587~1656/陽暦1657)の京都所司代在職時の逸話を集めた『板倉政要』では、被害者が届け出たところ、地蔵以外に怪しい者はいなかったとして訴えを却下、犯人が油断して盗品を賣りに出したので逮捕されたことになっている。
しばられ地蔵|南蔵院 公式ホームページ|大岡裁きで有名なおじぞうさまです|
寅さん、両さん、翼くんも葛飾と縁があるのか。葛飾の名物は団子だけじゃなく、どら焼きもある。
「満願どら焼き」
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葛飾には「しばられ地蔵」があるらしい。
これは「大岡越前」で有名だが、もとは包公の「石碑」という故事がもとになっているらしい。
包拯(包公、包青天)T-CupBlog
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しばられ地蔵
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包拯(包公、包青天)【人物】
『江戸の名奉行 大岡越前逸話集』(別冊歴史読本特別増刊、新人物往来社、1994)
参考になるHP
『鬼平犯科帳』Who's Who
関連語句
大岡越前 世界史 地蔵
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