作品公式サイト
日本教育会館一ツ橋ホールで行われた試写に当たったので観に行く。
ここ数年、試写以外でほとんど映画を見ていない(笑)。この会場は以前「サイキック青年団」
イベントで来て以来だ。
ペヤング志の輔の落語が原作。文化会館の役人のミスでダブルブッキングしてしまった
二つのママさんコーラスグループの年末コンサート。それぞれが「やらねばならぬ」理由を持ち、
無気力・いい加減な役人の主人公、小林薫が「どうにかする」までの話。きっとああなるだろう、
と思ったとおりのまとまり方をするので、終始安心して見ていられる。
小林はダメダメ役人だが、それをうまくサポートする若手にチビノリダー。
片方のコーラスのリーダー(指揮者)に安田成美。「ナウシカ」で歌唱力は知られているので、
あえて歌わない役にしたのではなかろうか(笑)。もう片方のリーダー(もちろん歌う)に由紀さおり。
ドリフ大爆笑などでのちょっと取り澄ましたようなキャラ。由紀さおりの姉もコーラスシーンに出ていた。
安田の側が労働者系、由紀の側はおハイソ系。…となると、普通は安田側が善で由紀側が悪、みたいに
描かれがちだが、特にそうしないのが良かった。
コンサートまでの話を中心にしつつ、ロシアンパブでのツケを抱えた小林が返済を迫られ、それをどうするか、
妻役の浅田美代子との離婚危機をどうするか、他コーラスグループメンバーのそれぞれが抱える事情が
絡んできて、あっという間に「大団円」という言葉がぴったりのエンディングを迎えていた。
ジャンルでいえば「ハートウォーミングなコメディ」の典型例。「Shall we ダンス?」が
好きな人なら間違いなく楽しめると思う(こちらのほうがほろ苦度は低く、役所広司に比べて
小林薫のほうがキャラの陰湿度・嫌なヤツ度が高い)。藤田弓子や根岸季衣、片桐はいりが
存在感を出している。ただちょっと演出がマンガチック過ぎかなと感じた。メイン級の次くらいの
ランクのキャラが、「コーラスをやらなければならない理由」をダーッとセリフで説明してしまうのだが、
これがちょっと直接的過ぎるのと、張られた伏線はことごとく回収されるのだけれど、
もう少しさりげなく、後で思い返したときに「ああ、あれはああいうことだったのか」という程度の
ほのかさでも良かったのではなかろうか。
ただ、「そういうのを求めていないときにも漂う邦画特有の湿っぽさ・ドロドロ感」が
皆無なのはたいへんよろしいし、それがこの映画最大の魅力だと思う。
日本教育会館一ツ橋ホールで行われた試写に当たったので観に行く。
ここ数年、試写以外でほとんど映画を見ていない(笑)。この会場は以前「サイキック青年団」
イベントで来て以来だ。
ペヤング志の輔の落語が原作。文化会館の役人のミスでダブルブッキングしてしまった
二つのママさんコーラスグループの年末コンサート。それぞれが「やらねばならぬ」理由を持ち、
無気力・いい加減な役人の主人公、小林薫が「どうにかする」までの話。きっとああなるだろう、
と思ったとおりのまとまり方をするので、終始安心して見ていられる。
小林はダメダメ役人だが、それをうまくサポートする若手にチビノリダー。
片方のコーラスのリーダー(指揮者)に安田成美。「ナウシカ」で歌唱力は知られているので、
あえて歌わない役にしたのではなかろうか(笑)。もう片方のリーダー(もちろん歌う)に由紀さおり。
ドリフ大爆笑などでのちょっと取り澄ましたようなキャラ。由紀さおりの姉もコーラスシーンに出ていた。
安田の側が労働者系、由紀の側はおハイソ系。…となると、普通は安田側が善で由紀側が悪、みたいに
描かれがちだが、特にそうしないのが良かった。
コンサートまでの話を中心にしつつ、ロシアンパブでのツケを抱えた小林が返済を迫られ、それをどうするか、
妻役の浅田美代子との離婚危機をどうするか、他コーラスグループメンバーのそれぞれが抱える事情が
絡んできて、あっという間に「大団円」という言葉がぴったりのエンディングを迎えていた。
ジャンルでいえば「ハートウォーミングなコメディ」の典型例。「Shall we ダンス?」が
好きな人なら間違いなく楽しめると思う(こちらのほうがほろ苦度は低く、役所広司に比べて
小林薫のほうがキャラの陰湿度・嫌なヤツ度が高い)。藤田弓子や根岸季衣、片桐はいりが
存在感を出している。ただちょっと演出がマンガチック過ぎかなと感じた。メイン級の次くらいの
ランクのキャラが、「コーラスをやらなければならない理由」をダーッとセリフで説明してしまうのだが、
これがちょっと直接的過ぎるのと、張られた伏線はことごとく回収されるのだけれど、
もう少しさりげなく、後で思い返したときに「ああ、あれはああいうことだったのか」という程度の
ほのかさでも良かったのではなかろうか。
ただ、「そういうのを求めていないときにも漂う邦画特有の湿っぽさ・ドロドロ感」が
皆無なのはたいへんよろしいし、それがこの映画最大の魅力だと思う。
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