MOONLIT STORY ~月夜の物語~

月明かりに照らされた惑星地球をテーマに星空の写真を撮り続けています。

絶景トーレス!

2009-03-31 23:46:10 | パタゴニア
山に入る前は日が射すこともあったが、その後は1日中雨模様だった。
テントで休みながら3時間ごとに外をチェックするが、夜になっても相変わらずの雨。

12時過ぎに再び目を覚ますと、雨がやんでいた。
小用がてらキャンプ場のある林から外へ出たら、なんと星が出ている。
薄雲がかかっているものの、これはチャンスと急いで支度をして、展望地へガレ沢を登った。
フル装備でないとはいえ、ザックは20kg近くある。コースタイム1時間の登りだが、疲れが残っており、1時間20分もかかってしまった。
そうこうしているうちに、曇ってしまい、月も見えなくなってしまった。
ガスはかかっておらず、目を凝らすとかすかにトーレスが見える。
3日目にして初めて全容を現したというのに・・・

ひたすら晴れるのを待っていたところ、ひとり登ってきた。
そのあとも3人組と2人組が登ってきて、総勢7名で朝を待った。
空が明るくなり始めた頃、雲が低く垂れこみだし、トーレスの先っぽに達してきた。
これは雨が降りだすと思い、機材を片付け始めたら、案の定ポツリポツリと降り出した。

下からは朝焼けのトーレスを見ようと続々と人が登ってきたが、それに逆らうように下山した。
雨は強くなる一方で、もはやトーレスの上半分は雲の中。
明日には下山しなくてはならない。このままトーレスを見ることはできないのだろうか・・・
このときはほとんどあきらめ加減だった。


テントに戻ってから雨が止むのを願って定期的に空をチェックしていたが、夜になってもずっと降り続いていた。ただ、弱まっていたので、1時間半置きに空をチェック。

これが最後のチャンスと3時頃起きたら、雨が止んでいた。
しかも雲が切れそうな気配。
普通、こんな天気で夜に登るなんて考えられないが、後悔だけはしたくなかったので登ってみることにした。

支度して林から出ると、なんと雲の切れ目から星が見えているではないか!
がぜんやる気が出て、1時間の道のりを50分で登ってしまった。

そして、カメラを立て終わるころには、空の半分が晴れてきた。
トーレスも完璧に見えている。
昨夜と違って、直前まで絶望的な天気だったので、誰ひとりとして登って来ない。
フィッツロイの感動再びか!と興奮していたが・・・
肝心のトーレス上空が晴れない。

ようやく星がチラホラ見え始めたと思ったら、なんとトーレスにガスがかかり始めた。
そして星空が広がるころには半分以上ガスの中に・・・

やがて夜が明け始め、タイムアップ。
今度は上空に雲が広がり始めるのと入れ替わるようにトーレスのガスが晴れた。
なんと皮肉な結末だ。
でも、薄明に浮かび上がるトーレスの神秘的な姿にしばし酔いしれた。

それではお待たせしました。傑作は一般公開しないとしてきましたが、中判フィルムで撮った迫力のトーレスをどうぞ。



【トーレス・デル・パイネ】


この写真に勝るとも劣らない、朝日に染まったトーレスの写真があるんだよね実は。



感動のトーレスの余韻に浸りながら、テントを片付け、もと来た登山道を降りた。
今度もまたよく歩いたご褒美に、レストランで食事をした。
車に乗るためアルコールなしが残念だったが、ラムチョップの贅沢なランチは最高だった。




アマルガ湖畔へ移動し、そこで車中泊。
わりと晴れたものの、やっぱりパイネの上空から雲が無くなることはなく、ろくに星景写真は撮れずじまい。
でも、夜明けの光景は素晴らしく、パイネに完全な形の虹がかかった。
それは今まで見たことのないほど大きく、広角でも入りきらなかった。

【アマルガ湖畔の虹】




このあと、最後のトレッキングをするため、レンタカーでペオエ湖畔へ向った。
途中のパイネの景色はとにかくすごい!

【クエルノス・デル・パイネ(パイネの角)】




最後はボートに乗ってペオエ湖を渡ると、トレッキングの出発地点となるホテルパイネグランデ前へ到着する。

【ボートの中の様子】


【ホテル パイネグランデ】

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