オオカミになりたい(遺言)

ずっとそばにいるよ

見立多以尽 はやく水をあげさせたい

2019-02-03 | 見立多以盡

月岡芳年が女性のしぐさを「~したい」と描いた美人画

見立多以尽(みたてたいづくし)より

『はやく水をあげさせたい』

国立国会図書館デジタルコレクション

大蘇芳年筆 

 

詞書

若木の花の盛の頃を 千代に八千代と目出たく祝い

手活(ていけ)の芲(はな)を身を引いた

跡へ継木の養い乙女 宵は待より弾(ひき)習わせ

踊る調子の身も軽き 蝶々髷から多(よく)うれて

更紗の紅の葩(はなびら)も およばぬほどの美貌(かおばせ)は

土地の自慢の花走雛妓(はやりっこ)

八重款冬(やまぶき)の色にそえ 欲には誰か華君(よいひと)に

枝をたわめて水揚をしてほしいとは 椿に縁あり

東京南茅場街住 轉々堂主人酔題

 

 

 


見立多以尽 さかりをおめにかけたい

2019-02-01 | 見立多以盡

月岡芳年が女性のしぐさを「~したい」と描いた美人画

見立多以尽(みたてたいづくし)より

『さかりをおめにかけたい』

国立国会図書館デジタルコレクション

大蘇芳年筆 

 

詞書

新年に入(いり)て語る黄鸝(うぐいす)は

赤阪の禁園(きんえん)に好音(こういん)を送りて

青山の花にあそび 溜池に住む はつ蛙(かわず)と 

ともに風流(みやび)の和歌友(わかなかま)

経よみ鳥のきょう九重に 匂いもふかき大君(おおぎみ)の

恵をたれか仰がざらん

轉々堂主人筆記

 

九重 : 宮中の意味で昔中国で王宮を九重の門で囲ったことから 

大君 : 貴族の長女の尊称