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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

キノコ三昧の信州その二。天然ナメコにチャナメツムタケ。ザトウムシウゴウゴルーガ(妻女山里山通信)

2017-10-21 | アウトドア・ネイチャーフォト
 台風21号が来る前にキノコ狩りと、某山系へ向かいました。今回は標高800〜1000mぐらいで、妻女山山系よりかなり高いところです。完全に月輪熊の生息地なので熊鈴をつけました。

(左)登り始めて足元にスッポンタケが二本。グレバが相当臭いです。ハエがたくさんたかっています。グレバをとった軸は中華料理のスープの具材として使われます。味は特にありません。(中)登山道を30分ほどかけて登ります。標高が高いので紅葉も進んでいます。(右)大きなキノコ。なんでしょうね。ニオウシメジの様な風にも見えます。南方系のキノコで、20種ぐらいあるそうです。以前この近くでニオウシメジを採ったことがあるのですが、今回は確実な同定に至らなかったので食しませんでした。

 登山道から外れて道の全く無い森へ入っていきます。左下が真っ暗ですが、そこが目的の場所です。知らなければとても足を踏み入れることはできないでしょう。

(左)スギゴケの仲間。雨後で艶々しています。(中)倒木に天然のナメコを発見。ヌメリが栽培種の市販のものとは段違いです。まだ小さめでしたが、100本以上採れました。(右)ニカワハリタケ。別名を猫の舌といいます。言い得て妙。特に美味しいキノコではありませんが、茹でて黒蜜や蜂蜜をかけて食べるといいデザートになります。食感はプニプニしています。

(左)今回の一番のお目当てがありました。チャナメツムタケです。当地ではジナメコとかジナメといいます。地面から生えるナメコという意味です。やはりヌメリがあり美味しいキノコですが、菌根菌なので放射能汚染されやすく、汚染地のものは食べるべきではありません。(中)こんな森です。ヒノキの植林地。360度見渡しても同じ風景なので、知っていないと必ず迷います。(右)ひとつ見つけると、あちこちに群生を発見できます。

 こんな風に大量に生えている場所も。この近くにも群生があり、100本以上採れました。止まって採っていると熊鈴が鳴らないので、鳴らしたりホイッスルを吹いたりします。この山系では三度ほど遭遇したりニアミスしています。

(左)またまた群生地を見つけました。(中)これは大きくて綺麗です。(右)一見チャナメツムタケに見えますが、噛んでみると猛毒のニガクリタケでした。死亡例もあります。両横の小さな赤みがかったキノコは、チャナメツムタケです。こんな風に混生していることもあるので要注意です。袋がいっぱいになったので下山します。

 中央に脚の長い虫がいます。節足動物門鋏角亜門クモ綱ザトウムシ目のザトウムシ(座頭虫)です。日本には80種類ぐらいいます。アメリカでは足長伯父さん(Daddy Longlegs)と呼ばれています。「千と千尋の神隠し」の釜爺(かまじい)のモデルであり、また「新世紀エヴァンゲリオン」のマトリエルのモデルとなっています。どこかSF的なプロポーションの不思議な虫です。日本で80種類以上、世界では4000種類もいるそうです。森の掃除屋さん。座頭虫と書きますが、目がないわけではなく、ちゃんとあります。小さな昆虫やミミズなどを食べます。タフTG-5の顕微鏡モードはいいですね。神レンズには到底及びませんが。座頭虫が若干ブレているのは、動きがもの凄く速いからなんです。止まる瞬間もあるので連射したのですが、微妙にタイミングがずれましたね。オオナミザトウムシかな。
 タイトルのウゴウゴルーガには特に意味はありません。1992年10月5日から1994年3月25日にかけて放送されたフジテレビの子供番組なんですけどね。アバンギャルドで大人の鑑賞にも耐えうる高度な内容で、好きで息子たちと観ていました。子供の頃の安室奈美恵が出ていました。座頭虫ってその番組に出ていた様なそんなキャラなんです。長男が行っていたスイミングスクールに、元フジテレビの女子アナの娘さんがいました。わが家にも遊びに来てくれました。プロデューサーの奥さんの娘さんもいましたね。私がいた事務所にはフジテレビでタイムキーパーをやっていた女性もいましたし。村上春樹さんのノーベル文学賞の件で取材も受けていますし、縁があるのですが、今のフジテレビの惨状を見ると言葉をなくします。

 車に戻って、そこからの風景。少しずつですが確実に秋めいて来ています。2時間ほどのキノコ狩りでした。この後、近くの温泉に行きます。信州はそこら中に温泉があるので、温泉天国です。今回行くところは150円。回数券を買うと137円です! 家で風呂を沸かすより安いのです。

(左)タイアザミ。基本的にアザミは全て食べられます。アザミの葉の佃煮は美味です。(中)標高1000mぐらいは、かなり色付いています。(右)マムシグサの赤い実。有毒で、誤って口にすると酷くただれます。さて、台風21号ですが、被害が少ないといいのですが。佐久などの上流で大量に降ると、千曲川が氾濫してしまいます。心配です。明日は選挙に行ってから家で牡蠣のアヒージョを作って、ボルドーの蔵出し熟成ワインを呑みながらグダグダしようと思っています。どうせ雨ですから。改憲しまた愚かな戦争をする国にしたいですか? 200万人も死んだのですよ。それが嫌なら選挙に行ってください。

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4 コメント

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三滝方面 (かたくり)
2017-10-21 21:11:19
三滝方面から鏡台山はこの時期クマが出そうですね。

ブナが生えているでしょうが、キノコ狩りで行くには相当怖いです。
五里が峰と鏡台山の登山口から鏡台への登山道はいい感じの松林で松茸とかシモフリシメジが狙えそうな感じがします。

ホンシメジは例年採れる山でも今年はほとんど駄目でした。

数日前、群馬県の谷川岳一の倉沢に写真を撮りに行きましたが、水上町周辺では販売しているキノコは放射能の影響でマイタケもヒラタケもなめこも皆栽培もの限定で山キノコは皆無でした。
驚いた!
返信する
Unknown (宝探しのフランス人)
2017-10-21 23:39:38
フランスのセップ茸はイグチらしいのですが、ジコボウと同じかな?と調べていて偶然サイトを拝見しました!
返信する
ホンシメジ (モリモリキッズ)
2017-10-22 09:18:30
松茸がそんなに好きではないので、味シメジをねらいますが、ホンシメジは二箇所ほどシロを知っているのですが、遠いのでずくが必要ですね。
鏡台山の熊は出会い頭でなければ向こうから逃げてくれます。
それより発情期のオスのイノシシの方が怖いですね。

放射能汚染のキノコは絶対に食べては駄目ですね。
特にチチタケなどの菌根菌は怖い。
返信する
宝探しのフランス人さん (モリモリキッズ)
2017-10-22 09:25:57
お久しぶりでいいのかな。
セップは、イグチのなかまで日本ではヤマドリタケモドキといいます。
イタリアではポルチーニかな。
妻女山にもでますが、今年はなかったですね。
夏のキノコなのでとる人はいません。
わたしぐらいです。

11月はムラサキシメジ。フランスではピエ・ブルーといいますね。これがたくさんでます。楽しみです。
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