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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

台風21号で千曲川が洪水し土手外の畑が冠水。虹も! 東電小田切ダム(妻女山里山通信)

2017-10-23 | アウトドア・ネイチャーフォト
 台風21号で千曲川が増水し、堤防から堤防までの間が冠水しました。2013年の9月以来4年ぶりのことです。この時は、畑の様子を見に行った老人が取り残され大騒ぎになりました。幸い今回はそういうことはなかった様ですが、堤防にはたくさんの人が様子を見に来ていました。今回もオリンパスのタフの最新モデル、TG-5で全て撮影しています。
 先日訪れた新宿のオリンパスのショールームでも言ったのですが、最近のデジカメは機能が多すぎて複雑で使いこなすまで時間がかかるんですよ。アートディレクター時代は岩合光昭さんや有名な写真家とも仕事して、要望を出したり選ぶ側だったのですが、やはり撮れないと意見も言えませんしね。しかし、当時はフィルムカメラで、最初はオリンパスのOM-1から入り、カールツァイスの雑誌の表紙撮影を撮るプロカメラマンがこれ!と言ったあのレンズを付けたコンタックスを使っていました。サブカメラは、アラーキーが絶賛したコニカのコンパクトカメラ。リバーサルは、エマルジョンナンバーがどうたらこうたらとか、それはそれで面倒でしたが、なんかもっと人間臭くて面白かったですね。
 今のデジカメは凄いですが、なんかどこかで撮っているというよりカメラに撮らせれていると思ったりするのですよ。プロにはアートフィルターとか要らないんです。それに最初の設定が彩度が高すぎます。特に家電メーカー系のものは、元出版のアートディレクターとしては度し難い色です。自然にあんな色はありませんてば。出版が衰えてRGBで観るのが当たり前になって、酷くなりましたね。テレビの色も酷いです。

 千曲市の土口水門の少し南から西方の茶臼山方面のカットです。茶臼山の上に虹が出ていました。パトカーが巡回したり、撮影クルーが来たり、消防団員が来たりと賑やかでした。一番左の橋は国道18号。その向こうにしなの鉄道と北陸新幹線の橋がありますが、影響はないようです。もう少し彩度を落とした方が現実の色っぽいかな。

 空ではなく山にかかっていたので気づかなかった人もいた様です。う〜むなんか望遠の画像がいまいちですね。撮影モードが違うのかな。風景モードで撮った方がいいのかな。今度色々試して見ましょう。フィッシュアイはいいですね。

 虹は少しずつ北へ移動していき、やがて消えました。妻女山展望台下の赤坂橋からのカットです。それにしても面白い虹ですね。気象の専門家にどうしたらこういう虹が出るのか聞いてみたいですね。

 同じく赤坂橋から松代方面。眼下は長芋畑ですが、成長はほぼ止まっているので収穫には問題ないだろうと聞きました。ただ畑によっては、流れ着いた大量のゴミが引っかかっていて処理が大変でしょう。本当にありとあらゆるゴミが日本海に流れて行くのです。

 同じく赤坂橋から松代方面。下流側になります。本流は一番左の方。

 同じく赤坂橋の上から西方、篠ノ井方面。上流側です。昔は洪水の後で水が引き始めると、亡父は投網を打ちに川の水たまりに行きました。避難した魚が取り残されたのを捕りに行くのです。鮒、鯉、ウグイ(ハヤ)、当地では人絹(ジンケン)と呼んだオイカワ(注:大正天皇が好物だったためにカワヒガイをジンケンと呼んだ説もあり、父に聞いた話しではこちらでした。そのため皇魚ともいいます。子供の頃によく釣って食べました。中国の皇魚はチョウザメの一種「ダウリアチョウザメ」のことらしいです。他にはドジョウ、鯰(ナマズ)、季節ならば鮎も。ときにはスッポンも。

 妻女山展望台から。堤防と堤防の間は約1キロ。本来の本流は幅70mぐらいで向こう側の堤防に近いところにあります。長芋やゴボウ、里芋などの根菜類は大丈夫でしょうが、リンゴなどの果樹は大きな被害が出たと思います。駐車場奥の仲間とやっている椎茸の原木栽培を見に行きましたが大丈夫でした。

 買い物帰りに岩野橋左岸から斎場山や妻女山方面のカットです。ここは逆に右岸に近い方に本流があります。雨は上がったので早く水が引くといいなと思います。と思っていたら午後はまた曇って雨がぱらつきました。濁流は刺激臭があります。下水や農薬や色々なものが流れてくるからです。長居は無用です。

『2017年10月23日の千曲川洪水』 風が強かったのでブレてしまいました。三脚を持っていけばよかったと反省。



そして、これは後日「妻女山里山デザイン・プロジェクト」のメンバーから送られてきた、犀川の東京電力の小田切ダムの画像。上中セギ土地改良区の建物から。彼は総代なので入れるのだそうです。犀川にはこの上流にいくつもの古いダムがありますが、ほとんどが東京電力のものです。そのため電力は全て東京に送られ、長野県民は1ワットも使っていません。小学校の時に、卒業サイクリングで突然訪れ、守衛さんに見学させてくださいと頼んだら係に電話してくれて、東電のおじさんがダムや地下の発電施設を案内してくれました。もちろん原発など一基もなかった頃です。

信州『松代里めぐり 清野』発刊と戌の満水など千曲川洪水の歴史(妻女山里山通信)1742年(寛保2年)8月に起きた未曾有の大洪水「戌の満水」で、松代藩は幕府に一万両を借りて千曲川の流れを変えました。そのため松代藩の財政は困窮しました。そこへ更に追い打ちをかけたのが1847年5月8日(弘化4年3月24日)に起きた「善光寺地震」です。再び藩は困窮し、混乱の幕末へと向かいます。

岩野村の伊勢講と仏恩講(ぶっとんこう)。戌の満水と廃仏毀釈。明治政府の愚挙(妻女山里山通信)明治政府は欧米傀儡のクーデター政権だというのがよく分かります。まさに日本の文化大革命で、薩長の田舎侍によって、それまでの日本文化が否定され多くの美術品や仏具が破壊され海外にも売り飛ばされました。岩野村の仏恩講は、そんな時代に必死の想いで地蔵堂を守り続けたのです。

長野市洪水ハザードマップ

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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